女性K-POPグループ「ブラックスワン」(黒い白鳥)はその名の通り、異色の存在として脚光を浴びている。現メンバーには韓国出身者が一人もいないからだ。国際色豊かな5人で構成され、ブラジル人メンバーも含まれている。
これはK-POPの国際的な成功と需要、グローバル化に伴うものだが、その定義に関して様々な議論を巻き起こしている。8月31日付テラサイトなど(1)(2)が報じている。
2020年10月にデビューした同グループは、結成当初は韓国出身のメンバーが在籍していたが脱退。現在はブラジル、アメリカ、セネガルなど様々な国の出身者で形成されており、彼女たちの音楽とアイデンティティは多様性を表している。メンバーたちは、自分たちの音楽やパフォーマンスを通じてK-POP業界を支えていると理解し、「進化と多様性の象徴」だと信じている。
だがこれは韓国で生まれた音楽ジャンルであるため、ブラックスワンの存在は一部の人々にとって「本物のK-POPなのか」と疑問視されている。この論争は韓国国内でも注目を浴びており、同業界がますます国際化していく中で、どのように定義されるべきかという困難な課題に直面している。
ブラックスワン本人側にも課題は多い。彼女たちはダンスしながら韓国語で歌わなければならない。K-POP業界は競争が激しく、トレーニングや外見の管理にも厳しい。ブラジル人メンバーのGabiは「私たちは基本、週7日働いている。午前10時から深夜まで。スケジュールは不規則だ」とインタビューに答えている。
多忙な毎日とプレッシャーにより、精神的な健康の問題が懸念されている。現に別のブラジル人メンバーであるLeiaは活動休止中で、Fatouは2月から精神科医の診察を受け、薬を服用しているとのこと。
それでもメンバーたちは、自分たちの音楽を届けることでK-POPの枠を広げ、肌の色や国籍に拘らず、世界中の人々を結びつけることができると信じ、活動を続けている。