名場面「桜井の別れ」上演=全伯吟剣詩舞道大会10日に

小池庸夫さん、河村淳さん、宮村秀光会長

 第48回全伯吟剣詩舞道大会が10日午前10時から、サンパウロ市リベルダーデ区のブラジル日本文化福祉協会小講堂(R. São Joaquim, 381)で開催される。入場無料だが、ご祝儀歓迎。基本的に要事前申し込みだが、当日飛び入りも歓迎とのこと。
 楠木正成(くすのきまさしげ)・正行(まさつら)父子が訣別する「桜井の別れ」も披露される。正成は湊川の戦いに赴いて戦死し、これが今生の別れとなった名場面だ。当日はパラー州都ベレンから10人が馳せ参じて、コーラスも入れて上演する。当日は全43演目の予定。
 ベレン在住の河村淳さん(78歳、島根県出身)は大会に向けて練習に熱が入っているという。10歳だった1955年に家族でパラー州のフォード自動車が造成したゴム農場ベルテイラに入植した。だが8カ月で退去し、ロライマ州北部のタイアーノ移住地に転住。「海協連の斡旋で入ったが、土地は良いけど町が遠い。いくら野菜を作っても消費者がいない場所。いわゆる〝地の果て〟ですよ。辺りにインディオが一杯いた」と振り返る。
 1961年にベレンに出て、広告デザインやスクリーン印刷の仕事を始め、パソコンが普及すると同時に辞めたという。「今は油絵、書道、詩吟で悠々自適」と笑う。墨絵は達人級で、楽書倶楽部にも挿絵として投稿。独学で日本語も美術も詩吟も習得。「アマゾンの歌姫」という漢詩を自作して吟じている。
 宮村秀光会長は「パンデミックで3年休んだが、これを機会に完全復活します。今回は48回になる。再来年は50回。粘り強く開催してきた先人に倣って、我々も続けて行きたい。ぜひ皆さん見に来てください」と呼びかけた。

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