医師が患者の耳からゴキブリを取り出す動画がTikTokでバズっている。動画は、南米コロンビア中部のメタ県都に位置するビジャビセンシオ市立病院で研修医として働くパウラ・アバロス医師によって撮られ、投稿された。「迷惑ゴキブリ」と説明が添えられた同動画は、2日の時点ですでに210万回の視聴、4万件の「いいね!」、1万1千件以上のコメントを集めている。2日付CNNブラジルなど(1)(2)が対処法などを報じている。
動画では、冒頭から患者の耳部がアップで映し出され、内部に何かがいるのが見える。医師は金属製のピンセットを器用に使い、中の異物を引き抜いた。それは体長1cm程度のゴキブリだった。患者は耳の痛みを訴えていたとのこと。
専門家によると、耳や鼻、喉へ異物が侵入したために医療受診するケースは珍しくないとのこと。しかし、中には深刻な合併症を引き起こすケースがあるため、十分注意が必要だ。
耳鼻咽喉科医のイーゴル・ゲラ氏によると、耳の中に入った異物が無生物(ネジ、玉、ビーズなど)の場合については緊急性はないが、生物の場合には迅速な処置が求められるとのこと。
ゲラ医師は「生物が外耳道で動き回ると、耐え難い痛みが襲う。鼓膜が破れる可能性があり、聴覚への深刻な損傷により失聴の可能性さえある」と説明する。ただし、自己判断で虫を取り除こうとしないように忠告している。虫が耳の奥に押し込まれる可能性があるほか、鼓膜や耳の他の部分を傷つける可能性がある。これに対する応急措置として、液体ワセリンを耳に入れる方法がある。「ワセリンは動いている虫を固定し、外耳道の壁を引っ掻くことを止めさせる。その後頭を傾けると、虫が耳から外に滑り落ちることがある。しかし、この方法がうまくいかない場合、緊急治療を受ける必要がある」と説明した。
ゲラ医師はまた、異物が鼻に入った場合に特段注意すべきだと強調する。「それが生物であろうと無生物であろうと、緊急事態だ。その異物が吸い込まれて肺に入る可能性があるからだ」と説明している。