同意なしの性的動画拡散増加=被害は1日あたり4件にも

2月5日付G1サイトの記事の一部
2月5日付G1サイトの記事の一部

 相手の同意なしに性的なプライベート画像や動画を記録・拡散する犯罪が増加しており、ブラジル国内では2019年1月から22年7月までの間に少なくとも5271件の被害が報告された。
 1日あたり4件平均で起きている計算になる。ミナス・ジェライス州(18・8%)が最多で、マット・グロッソ州(10・93%)とリオ・グランデ・ド・スル州(10・17%)が続く。2月5日付G1サイト(1)が報じた。
 これらは18年に制定された次の2つの法律に基づいて被害届が出された案件だ。1つ目は、性的なプライバシーに関連して他人の許可なしに記録することを犯罪とする「ローズ・レオネル法(法令13772/18)」で、6カ月から1年の懲役刑が科される。
 もう一つの「法令13718/18」は、被写体の同意なしに性的瞬間、強姦、性行為、またはポルノを他人と共有することを犯罪とするもので、1年から5年の懲役刑となる。
 特に、犯罪者が被害者と近い関係にある場合、または行為が復讐や屈辱のために行われた場合、刑罰がより重くなり、いわゆる「リベンジポルノ」と呼ばれる。被害者へ身体的、精神的な苦痛を与え、うつ病、恐怖症、摂食障害などさまざまな健康問題を引き起こすことで問題視されている。
 この一つ目の法律名にもなったローズ・レオネルさんという女性は、この犯罪の被害者だ。彼女の場合、元パートナーから7年もの間ターゲットにされた。容疑者は許可なく勝手に性的なプライベート写真を700万回以上も流出させ、映像をCDに焼いて街頭で配布するなどその行動は過激で異常だった。容疑者は3万レアルの罰金を支払うことになったが、ローズさんは職を失い、最愛の息子たちを彼らの父親の元に送ることになった。
 法律では懲役刑が規定されているにもかかわらず、罰金やボランティア活動の判決で済まされることが多い。また多くの専門家は、被害者が恐怖と羞恥心から被害報告をためらうため、実際は公表されている数よりもずっと多いと指摘する。
 全国インターネット被害者協会のヨランダ・ガライ氏は、もし自分に被害が及んだ場合、証拠になる画像等を消去せず、すぐに警察に相談すべきだと忠告する。女性警察には精神的被害へのサポート体制として女性警官が配置されているが、捜査開始の申し立てはどの警察署でもできると報じられている。

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