「空飛ぶ車」国際受注ランキング=エンブラエルが断トツ首位独走

エンブラエル社のeVTOL(Eve/Divulgação)
エンブラエル社のeVTOL(Eve/Divulgação)

 「空飛ぶ車」電動垂直離着陸機(eVTOL)の国際ランキングでは、エンブラエル社の車両が高い関心を集めている。SMGコンサルティングの「次世代空モビリティ現実評価指標」によると、エンブラエルの子会社Eveエア・モビリティ社がサンパウロ州内陸部タウバテ市で製造予定の車両にはすでに2850台の受注が入っていると6日付G1サイト(1)(2)が報じている。
 エンブラエルによると、eVTOLの販売価格は約300万米ドル(約1500万レアル、約4億4300万円)。ヘリコプター運航会社、航空会社、リース会社、共同運航プラットフォーム向けに28社、合計2850台の受注があるという。これは80億米ドル以上の売上に相当するとのこと。
 この受注数は、1425台を受注している英国企業であるVertical Aerospace社の2倍だ。3位は中国企業Ehangs社で、1256台となっている。
 SMGコンサルティングのリストには「確定受注」、つまり正式に取引が成立し、売却が確定している企業ランキングも示されている。この点で、エンブラエルは未だ0台であり、競合他社である米国のBeta Technologies社が184台の確定受注でリードしている。2位はEhangs社の169台が続く。
 同コンサルタント会社によると、エンブラエルのeVTOLは2024年に初飛行が予定されているが、本格的な運用は26年以降となる。同リストには、30年の運用開始予定の米国企業eAviation社など、さらに長いスパンを設定している企業も含まれている。
 エンブラエルの子会社であるEveの発表によると、35年までにサンパウロ市とリオ・デ・ジャネイロ市で年間1270万人の旅客を達成することを目指している。タウバテ市にあるエンブラエルの既存工場で製造され、eVTOLの生産ラインに合わせて拡張される。
 同社は、eVTOLは自家用車のように誰でも購入できる方式ではなく、Uberや99のような配車アプリに似たシステムの一部になると説明している。

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