ブラジル人のダニエル・デ・フレイタス氏(33)は、人工知能(AI)で稼いで億万長者になり、フォーブス誌の世界ランキングで244位に位置している。推定115億レアル(約3412億円)の資産を持つ彼の輝かしい功績について7日付エスタード紙(1)が報じている。
フレイタス氏は、Character.AIというチャットボット(AI)企業の共同創設者だ。最初のAI開発は9歳の時に両親の勧めで始めたが、1990年代後半の技術ではすぐに限界に達してしまい、作業は続行できなかったという。
その後サンパウロ総合大学(USP)でコンピュータ工学を学び、スタンフォード大学でも学位を取得。12年にMicrosoft社でソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、最終的には自然言語モデルとAI開発に携わった。
その後、Google社に移り、LaMDAと呼ばれるテキストベースの人工知能を開発するチームの一員となった。LaMDAはAI技術の最先端とされ、GoogleのBardというチャットボットの基盤として利用された。
フライタス氏はノーム・シェイザー氏との共同プロジェクトを通じてCharacter.AIを設立した。同社は人工知能を活用し、著名人の特徴や言動を模倣することで、新しいコミュニケーション手段を提供している。
半年前に公開されたこのスタートアップのプラットフォーム(https://beta.character.ai/)では、存命か否かを問わず有名人や匿名の人物を含む約270万人のキャラクターとチャット(文字会話)ができる。
エリザベス女王、トールキンなどの世界的有名人から、マッシャード・デ・アシス、アニッタ、ネイマールといったブラジル人有名人、果てはルーラ大統領(PT)やボルソナロ大統領(PL)といった政治家など世界中の著名人キャラクターが掲載されており、チャットができる。
Character.AIは急成長し、ベンチャーキャピタル会社を中心とした資金調達で企業評価は10億ドルに達し、1億5千万ドルの投資を受けた。
フレイタス氏の成功はブラジルのAI技術分野における重要な業績であり、その影響は今後も注目されている。