拓殖大学麗澤会(りたくかい)海外派遣団は8月21日から31日に滞ブラジルし、学生団員の移民に対する理解深化のため、当地在住の同大OBへの訪問活動を行った。また、ブラジルのSDGs(国連の定める持続可能な開発目標)取り組み状況を知るための調査も行った。
同会による海外派遣事業は1972年から毎年行われている。ブラジル派遣は88年、98年に実施され、3回目となる今回は25年ぶりの実施となった。
今回は「拓殖大学とブラジル~海外雄飛の志を持った先人達の足跡とブラジルのSDGs~」をテーマに、竹下幸治郎団長(国際学部准教授)ら15人がブラジルを訪れた。
派遣団はリオ・デ・ジャネイロ、パラー、アマゾナス、サンパウロ州を巡り、同地に住むOBから移住当時の話などを聞いた。
また、現地学生や企業、関連公共団体を訪問し、SDGs項目の「教育」「医療」「福祉」「エネルギー」「新技術」「森林」の取り組み状況調査を行った。
調査結果は10月27~29日に行われる拓殖大学の学園祭で発表する。
派遣団は29日、サンパロ市の日本文化広報施設「ジャパンハウス」を訪れた。竹下団長はサンパウロでのこれまでの活動を振り返って「開拓精神を持つ先輩方の話を直接聞くことが出来、生徒らにはとてもいい刺激となりました」と語り、初来ブラジルの吉岡海月(みずき)さん(21歳、埼玉県、拓大経営学科3年生)は「世界最大と称されるブラジル日系社会に実際に触れたことで、その礎を作った拓大OBら移住先人の努力や勇気、開拓精神の凄さを改めて感じました」と語った。
派遣団に同行した当地在住の拓大OB、島田正夫さん(74期、80年にブラジル移住)は「最近は機械を通して交流を行うことが増え、直接会って交流することが減っている。そうした中で団員は積極的に話を聞きにいっていて感心した。日本国内のみならず、世界でも通用する人たちになってくれることを期待しています」と語った。