七夕の短冊4万枚をお焚き上げ=天に届け! 切実な庶民の願い

神主が見守る中、短冊を火にくべる参加者

 リベルダーデ文化福祉協会(ACAL、矢野ペドロ会長)は2日、7月15~16日にサンパウロ市リベルダーデ区にて開催した「第44回七夕祭り」で集まった短冊の「お焚き上げ式」を同区ガルボン・ブエノ街の駐車場で行った。七夕祭りには20万人以上が来場したと見られ、約4万枚もの短冊が書かれ、笹に吊るされた。その短冊が神式に則ってこの日に燃やされ、煙となって空に昇って行った。
昨年は3年ぶりの本格開催でまともに歩けないぐらい賑わった七夕祭りだったが、今年も同じぐらいに賑わった。短冊も例年以上に書かれ、笹竹には溢れんばかりに吊るされた。短冊は祭り後の会場撤去の際に笹竹から外され、袋に集められていた。
 関係者約50人が参加した焚き上げ式では、南米大神宮の逢坂和男神主が取り仕切り、修祓、遷霊、献饌、玉串奉奠、撤饌などの儀を行い、来場者と短冊にお祓いをし、無病息災と繁栄と今後の成功などが祈られた。
 矢野会長は「皆さんのご協力に心から感謝。短冊のお願いが天に届きますように」と述べ、続いて羽藤ジョルジ市議らも挨拶を行った。最後に神棚の火が炉に移され、そこに次々に短冊がくべられ、盛大に燃え上がった。

乾杯の音頭をとった網野さん、羽藤ジョルジ市議、矢野ペドロ会長、慰労昼食会を準備した池崎カルロスさん

 古野マサヨシ行事担当役員によれば、短冊の白は平和、ピンクは愛、黄色はお金、緑は希望、青は健康、赤は感謝の願い事を捧げるもの。「一人で友人家族の分までまとめ買いする人も。何と言っても一番人気のある色は黄色。2番目は青。特に高齢者は青が多い」と分析した。
 丸山修二さんは(73歳、福島県)は「燃やす前に一枚一枚、願い事を読んでみた。ディズニーランドに行きたいとかきっと若い女性が書いたんじゃないかという緑色の短冊もあったけど、金銭的に余裕が欲しいという黄色の短冊、真の恋人に出逢いたいというピンク色が多かった印象ですね。天気も良かったし、きっとこの願い事は、煙に乗って天まで届いたんじゃないでしょうか」としみじみ語った。
 網野弥太郎ACAL評議員会会長も、「40年前、短冊は全部日本語で書かれていて、世界平和とか家内安全とか抽象的なお願いが多かった。年々短冊の量が増えている感じだね。しかも今はほとんどポルトガル語になり、仕事が欲しいとか給料を上げてほしいという切実なお願いが多くなった。きっと神様もその違いをひしひしと感じているんじゃないかな」と感慨深げにコメントした。
 一行はニッケイパラセホテルに移動し、池崎カルロスさんと妻セレナ・貴子さんが用意した慰労の昼食に舌鼓を打ち、ゆっくりと談笑した。

お焚き上げの参加者の皆さん

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