汎アメリカゲートボール連合(萩尾ジュリオ会長)は9日午前8時、サンパウロ市の本藤利(ほんどうとおる)連合コートで「第1回汎アメリカゲートボール(GB)大会」を開催した。大会には5カ国から112チーム、約600人が出場した。
開会式ではブラジルゲートボール連合(UCGB)のカク・ジョージ副会長が開会宣言を行い、先亡者への黙とう、日伯両国歌斉唱が行われた。
UCGB、汎米GB連合で会長を務める萩尾氏が挨拶に立ち、アルゼンチンの仲宗根澄夫さん、米国のタイラ・シゲルさん、パラグアイの園田義人さん、ペルーの塚越正文さんら外国からの参加者、ブラジル全土からの参加者たちに感謝の意を表した。今大会にはGB活動を行うブラジル22地域の内、20地域から参加があった。また、汎米大会実現までの長い道のりについて紹介し、同大会発案者のUCGB顧問評議会委員、小賀誠二さんに敬意を表した。
世界GB連合今川啓一理事長に代わり、総務部総務課課長の山岸健太郎さんが「第1回大会開催おめでとうございます。この先、歴史ある大会となるよう祈っております」と挨拶した。
在サンパウロ総領事館の小室千帆首席領事も登壇し、GBは国境と文化の壁を越えて、友情と協力を促進するスポーツであると述べ、「この大会がアメリカ大陸の日系コミュニティの絆をより緊密化する一助となることは間違いない」と語った。
ブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長は「GBはお年寄りのスポーツだと思っていましたが、こんなにもたくさんの若いプレイヤーがいるとは」と驚きの感想を述べ、その盛況ぶりを喜んだ。また、GBが国を問わず絆と友情を築くスポーツであることを強調した。
アルゼンチンから参加の新城シンイチさん(92歳)を始め、89歳から94歳までのベテラン選手たちへの表彰式も行われた。表彰式後は選手宣誓が続き、萩尾セリオ審査委員長が大会のルールや注意点などを説明し、試合が始まった。
大会の様子について、2019年の南米大会で優勝経験のあるパラグアイ代表チームは、ブラジルの競技人口の若返りぶりに感心した様子で「パラグアイにはこんなに多くの選手はいないし、年々競技人口は減っていく」と語り、今大会から米国チームが参加したことについては「参加国が増えて嬉しい」と話した。
ペルー代表チームは「初戦はいい結果を残せなかったけど、楽しんでいる」と笑顔で語った。メンバーが全員80歳以上であることから、国外大会に参加するかどうか迷ったが、「旅行をするいい機会だと思い、締め切り間際で参加を申し込んだけど、大会運営は参加を歓迎してくれました」と振り返った。
アルゼンチン代表チームの一人は、「汎米大会だと思うと緊張してしまうから、前と変わらない南米大会だと思ってプレーする」とユーモアを交えて語った。
米国代表チームはチーム編成に十分な人数が集まらなかったため、アルゼンチン在住の友人をチームに誘って参加した。「米国からアルゼンチンに移住した日系人は多くて、みんな友達なんだ。それで何人かアメリカから出場してくれないか誘ったんだ」という。米国代表メンバーらは「本藤利連合コートはラ米最高のゲートボール場だ」と述べ、ブラジル選手たちとの交流を楽しんだ。