ブラジルゲートボール連合(UCGB、萩尾ジュリオ会長)は9日、翌10~11日に行われる「第1回汎アメリカゲートボール(GB)大会」の開催を記念した晩餐会を、サンパウロ市のブラジル日本文化福祉協会多目的ホールで開催した。同日昼、汎アメリカGB連合の設立総会が行われ、萩尾氏が同会の会長も兼任することとなり、役員が各国から選任された。晩餐会では大会出場選手や役員ら5カ国300人が出席し、大会開催を盛大に祝した。
昨年10月にアルゼンチンで南米大会役員が集まった際、米国からも大会出場要望があったが、対象地域外であることを理由に出場が叶わずにいたことから、汎アメリカ連合のアイデアが生まれた。今年2月の会議で具体化に向けた動きが始まり、今回正式な発足となった。
第1回汎アメリカ大会にはブラジル、米国、アルゼンチン、ペルー、パラグアイの5カ国が参加。米国GB協会の会長を務めるシゲル・タイラさん(72歳、2世、カリフォルニア州在住)はこれまで南米GB大会にボリビアやアルゼンチンなど他国選手として出場してきた。「米国選手として出場できて嬉しい」と汎アメリカ大会開催を喜んだ。
パラグアイからはパラグアイGB協会会長の園田義人さん(79歳、鹿児島県)らが参加。同国内には25のGBチームがあり、今回大会には混成メンバーによる1チームが出場した。園田さんは「GBのおかげで様々な人たちと会うことができた。老若男女問わず競えるGBは最高の競技。交流も楽しいけど、明日の試合はもちろん勝ちたいね」と意気込みを語った。
ペルーGB協会会長の塚越正文さん(83歳、山梨県、リマ県在住)は、1961年1月15日にペルーに移住。98年からGBを始めた。ペルーのGB選手は一時、350人ほどいたが、今では200人に満たないという。「ペルーの選手は高齢化しちゃったけど、ブラジルは選手が多いし、何より若い選手が多い。すごいね」と晩餐会会場を見渡しながら話した。
アルゼンチンから参加の仲宗根澄夫さん(74歳、沖縄県)は「他国選手でもみんな顔を知っているよ。国際大会は交流もできるし観光もできて一石二鳥。楽しいからみんな来たがるんだ」と笑顔で語った。
晩餐会では、日本からブラジル訪問した世界GB連合総務部総務課課長の山岸健太郎さんによる、大会で使用する優勝トロフィーの授与が萩尾会長に対して行われた。5回目のブラジル訪問となる山岸さんは「南米チームは若い人が多い。世界的にはゲートボール人口が減少傾向にある中で、ブラジルのイビラプエラチームは会員を増やしており、ぜひその取り組みを参考にしたい」と話した。
晩餐会挨拶に立った萩尾会長はブラジル訪問参加者へ感謝を述べ、「GBのおかげで国境を越えた交流が行えている」とスポーツを通じた交流の重要性を語り、今後もゲートボール文化発展に尽力することを誓った。