姉が弟ゲイカップルの娘を出産=「多様性に理解ある社会に」

ファビオさん(左)、レナトさん(中央)、レチシアさん(右)(Foto: 「Olha o Apê Deles」 via Instagram @olhaoapedeles)
ファビオさん(左)、レナトさん(中央)、レチシアさん(右)(Foto: 「Olha o Apê Deles」 via Instagram @olhaoapedeles)

 インフルエンサーであるゲイカップルのファビオ・タカハシさん(40)とレナト・タマイさん(38)は、代理母を通じて娘を授かり、父親になる夢を叶えた。ファビオさんの姉であるレチシアさんが代理母への協力を申し出て、6月に愛娘エミリーちゃんが誕生した。16日付けテラサイト(1)(2)が報じている。
 ファビオさんとレナトさんは、8年以上にわたり愛を育んできた。親になるという願望を長らく抱きつつも、ゲイのカップルとして家族を持つことは難しいと感じていた。
 家族を築く唯一の方法は養子を迎え入れることだと考えていたが、コロナ禍の影響で計画が進まずに諦めかけていた。そんな矢先、ファビオさんの姉レチシアさんが自ら代理母として二人の子供を出産することを提案し、二人に新たな可能性を開いた。
 当初はこの提案に戸惑い、姉への体力的負担も考えて受け入れることができなかった二人だった。だが後に、代理母のプロセスや医学的な側面について詳しく学ぶにつれ、考え直すようになった。レチシアさんは二人の決断を快く受け入れた。
 次のステップに進む準備ができた彼らは、卵子バンクで受精プロセスを開始。二人とも日系人であることから、アジア系の卵子ドナーを選択した。エミリーちゃんの誕生には体外受精(FIV)の技術が用いられ、ドナーの卵子とカップルのどちらかの精子を受精させて胚を形成し、それをレチシアさんの子宮に移植した。この場合、代理母の遺伝的要素は引き継がれない。
 一度流産を経験したが、二度目の試みでエミリーちゃんが無事に誕生し、家族の一員として迎え入れられた。誤解や偏見がついて回り、いつかは娘も両親がゲイであることで苦しむ日が来る可能性を二人は理解している。
 ファビオさんは「28歳でゲイをカミングアウトし、40歳現在で家族を持つ夢が叶った。これは前の世代が多くの偏見に苦しみ、我々LGBTQIA+コミュニティのために道を開いてくれたから。娘をはじめ次の世代のために、今後も自分達の日常を発信し続け、世間の意識を高め、多様性に理解ある社会を築くことを目指している」と語った。

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