ブラジル北東部バイア州西部にあるルイス・エドゥアルド・マガリャンエス市で6日、自宅でシャワーを浴びていた男性が銃で撃たれて死亡し、捜査の結果、妻が逮捕された。自宅の防犯カメラには妻が殺し屋を招き入れ、殺害に協力する様子が記録されており、その映像が証拠となった。犯行の見返りとして1万8千レアル(約55万円)を支払ったと14日付けのG1サイトなど(1)(2)が報じでいる。
夫ジョゼ・ヴィセンテ・デ・セルケイラさん(40)は妻アンジェリカ・ヴィニシオス容疑者と二人の子供と一緒に暮らしていた。犯行当時、彼はシャワーを浴びている最中で、子供たちは現場から3mしか離れていない部屋にいた。
妻は最初の事情聴取で「自宅が強盗に侵入され、夫が殺害された」と警察に語ったが、捜査員が自宅の防犯カメラ映像を解析したところ全貌が明らかになった。
カメラが捉えた映像には、2人の男性が乗った車が被害者の自宅前に停車する瞬間が捉えられている。妻はガレージを開けて男が侵入できるようにし、Tシャツで覆面した男に夫の居場所としてバスルームを示した。
夫は犯人から銃撃を受けながらも逃げ出し、裸のまま道路を走って助けを求めたが、犯人からしつこく追い回され数発撃たれた。救急医療センター(UPA)に運ばれたが死亡が確認された。
事件直後、妻は被害者面をしてジョゼさんの妹に泣きながら電話をかけ、慰めあったという。葬儀後、妻が犯行を警察に自白したと知った被害者家族は「信じられなかった」と振り返った。
同事件には容疑者の女友人ミカエレが関与し、殺害をそそのかしたとみられている。二人の出会いは、妻が服役中の別の男性と交際していた時期で、面会日に刑務所を訪問する際に顔馴染みとなり、友情を育むことになったという。
事件の動機は、夫との経済的な対立から生じたとみられている。以前は仲の良い夫婦であったが、容疑者が遺産を受け取ってから態度が激変し、喧嘩が絶えなくなった。義父の死後に遺産として高級車を受け取り、それを売って旅行やパーティーに使うことを提案したが、夫から猛反対され、そこから憎悪が芽生えたとされる。
殺人実行犯や車に同乗していた共犯の男はまだ捕まっていない。