日本財団の尾形理事長に名誉市民賞=イペランジアホーム支援称え

記念プレートを持つ尾形理事長(中央右)と式典出席者ら

 サンパウロ州スザノ市の同市議会は15日、尾形武寿日本財団理事長への名誉市民賞授賞式を行った。式典には同市民を始め、日本財団の支援を受ける同市在所の高齢者福祉施設「イペランジアホーム」関係者や同ホームの運営を行う日伯福祉援護協会役員ら約100人が出席した。

挨拶に立つ尾形理事長

 式典では、ジョアキン・ローザ市議会議長が開会宣言を行い、「尾形氏へ名誉市民賞を贈ることを誇りに思う」と挨拶した。
 高山アルトゥール市議が授与の経緯を紹介し、「日本財団が行っているイペランジアホームへの支援は、同施設の運営のみならず、イペ祭りなどを通じて、スザノ市の経済などにも大きく貢献している」と述べ、尾形氏へ感謝を表した。
 来賓として参加した在サンパウロ総領事館の小室千帆首席領事は、ブラジル日本移民115年の歴史を振り返りながら、日本財団のイペランジアホーム支援が日伯友好関係深化に貢献していると感謝の意を示した。
 挨拶に立った尾形理事長は、スザノ市の日本財団に対する思いに感謝を述べ、同財団が日系社会へ支援を行う理由について「日本の政策によって、未知のブラジルへ送り出された移民1世の方々は、想像もできない困難を経験しながらも、日本人特有の忍耐強さ、勤勉さ、誠実さをもって、今日の日系社会を築きあげられました。同じ日本人としてそんな方々のために何かしたいと思いました」と語った。

 尾形氏は、伯国社会で育つ次世代の日系人が伯国に貢献するような人材となることを期待しつつも「自らのルーツが日本にあることは忘れてほしくない。彼らが自らのルーツが日本であることを誇りに思えるように私も努力していきたい」と語り、名誉市民賞授与への感謝を述べた。
式典後、市議会別室で夕食会が行われ、出席者らは歓談を楽しんだ。

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