「自閉症はムチ打ちで治る」=市議が問題発言で炎上

エウジ・ルーカス市議(本人の公式インタグラムより、www.instagram.com/eudelucas/)
エウジ・ルーカス市議(本人の公式インタグラムより、www.instagram.com/eudelucas/)

 ブラジル北東部セアラ州ジュカス市の市議会で20日、エウジ・ルーカス市議(社会民主党・PSD)が自閉症について不適切な発言をし、物議を醸した。同氏は「私の時代には自閉症はムチ打ちで治った」と発言。ネットやインフルエンサーの反感を買い、同氏の処罰を求める動きが出ていると20日付テラサイト(1)(2)が報じている。
 同氏は「アーチストによる自閉症に関するコメントが出回っているが、理解し難い。私も以前自閉症だったが、父から鞭で打たれて治った」と述べ、その動画がSNS上で拡散された。
 これは、女優レチシア・サバテラさん(52)が「精神科医と神経科医による検査を通じて、私が自閉症スペクトラム障害(ASD)であることがわかった。躁であると同時に鬱でもある」とカミングアウトしたことを受けての発言だとみられている。
 医師が「この精神傾向が彼女の職業選択の動機になったのでは」と言ったことを強調し、彼女は「それは精神的な過敏性などをもたらす。私が演劇を選び、芸術を選んだのは、何らかの形でこの現実を克服、適応するための私なりの対応だった」とし、女優という職業選択をした過去を前向きに肯定した。だが昨年12月、26年間パートナーシップを結んでいたグローボ局の番組降板を発表していた。
 インフルエンサーのイヴァン・バロン氏は同市議の発言動画を引用し、「市民はどんな議員を選んでいるのか? 即刻処罰してほしい!」とSNS上で苦言を呈した。
 ブラジル保健省は自閉症について「個人の神経発達機能の変化を特徴とする障害で、コミュニケーション、発話、社会的適応作用などの日常行動に影響を与える」とする。自閉症は治癒不可能とされているが、専門家のサポートによって多面的な治療を行い、自立促進の支援が行われている。
 エウジ市議は自身の発言が不適切であったことを認め、自分の考えを間違った方法で表現して「誤解されてしまったことを深く遺憾に思う」と述べた。

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