ブラジル長崎県人会(森繁親もり・しげちか会長)は24日に同県人会創立60周年をサンパウロ市リベルダーデ区の宮城県人会館で行った。式典は昨年開かれる予定だったが、コロナ禍のため、一年延期した。県知事、県議会議長からビデオで祝辞が寄せられ、鈴木史朗(しろう)長崎市長一行が式典に参加した。式典には県人会関係者、来賓合わせて約200人が参加した。なお、長崎・サントス姉妹都市提携50周年記念式典及び祝賀会は、26日にサントス市役所でロジェリオ・サントス市長立ち会いのもと開催された。
川添博(かわぞえ・ひろし)前県人会長が日本語司会、廣瀬かおりさんがポルトガル語司会を務め、和田佐代子副会長が開会宣言を行った。日伯両国国歌斉唱、開拓先亡者の御霊へ黙とうをささげた後、母県からの来賓を紹介し、長崎県歌『南の風』を全員で斉唱した。
挨拶に立った森会長は来賓者へ感謝を述べ、「1962年、長崎県人会創立に関する調査のため長崎県庁から派遣された方と、父と私でお会いしました。あれから61年、先輩たちのご苦労と努力によってここまで進展することができました。2014年には田上富久(たうえ・とみひさ)前長崎市長、川添前会長たちのご努力によって長崎の伝統的踊りである『龍(じゃ)踊り』がブラジルで披露できるようになりました。これからも若い世代とともに長崎の文化と伝統を守り、絆を深めていきたいと思っております」と語った。
大石賢吾(おおいし・けんご)知事、徳永達也(とくなが・たつや)県議会議長のビデオ・メッセージに続き鈴木長崎市長が祝辞を述べた。
桑名良輔在サンパウロ総領事は「長崎から慶祝団を迎えて県人会創立60周年を共に祝うことができてうれしい。今年は日本移民115周年。長崎サントス姉妹都市提携50周年も祝うことができ、日本とブラジルの絆が強まる年となりました。サントス市内を走る長崎市寄贈の路面電車は日本とブラジルの友好の証であります。県人会のますますの発展とご多幸をお祈り申し上げます」と挨拶した。
野村アウレリオサンパウロ市議会議員の代理として桂川富雄氏(ブラジル日本文化福祉協会(文協)農業関連交流委員会委員長)が挨拶に立ち、野村議員の「長崎の最初の移民は1910年5月に旅順丸で来られた。長崎県は広島県とともに第二次世界大戦の被爆県で、平和文化活動を通して被爆の悲劇をブラジルに伝えている。サントス路面電車は姉妹都市提携40周年の時に長崎市から寄贈されたもの。ブラジルは世界最大のカトリック国だが、長崎は日本で最初にカトリックを信仰するようになった所です。日本からのカトリック信者はプロミッソンに『26聖人のキリスト王教会』を建設した」とのメッセージを伝えた。
続いて羽藤ジョルジ・サンパウロ市議会議員、飯星ワルテル元連邦下院議員、中井貞夫(なかい・さだお)元サントス市議会議長(現サントス日本人会会長)が祝辞を述べた。
ブラジル日本都道府県人会連合会(県連)の市川利雄(いちかわ・としお)会長は「サンパウロ市北部のジャルジン・ブラジル区にサンパウロ州立『長崎県学校』がある。壁を保護するために植栽が施されている」と祝辞の中で長崎県学校の存在を紹介。長崎県とサンパウロ州のパートナーシップ継続、強化の重要性を示唆した。
研修生OB代表として堤広子(つつみ・ひろこ)、安永幸夫(やすなが・ゆきお)さんが流ちょうな日本語で母県へ謝辞を述べた。
県人会から文協、サンパウロ日伯援護協会、県連に寄付金贈呈があり、山下譲二文協会長代理が謝辞を述べた。
県人会から川添前会長、和田佐代子副会長に感謝状が贈られ、二人を表彰した。
県人会から長寿者が表彰された後、県人会から長崎市に記念品が贈られ、長崎市と長崎市議会から県人会に記念品が贈られた。
「諫早のんのこ皿踊り」が披露され、会場から「もってこい」と大声で掛け声がかかると郷土芸能の「龍(じゃ)踊り」が勢いよく飛び出して勇壮な踊りを披露した。
長崎県人会の牧山栄治副会長が閉会宣言を行った。
続いて祝賀昼食会が行われ、相川和彦(あいかわ・かずひこ)長崎市議会副議長が万歳三唱し、鏡開きをして乾杯。紙芝居『瞳の中の子ども達』を披露し、『長崎の鐘』を斉唱。『長崎ばやし』や『祭りのんのこ』、『龍(じゃ)踊り』、『皿踊り新のんのこ』を全員で踊った。