「箸でお椀に入ったタカカー(先住民料理)を食べると味噌汁みたい」――パラー州在住の日系ブラジル人女性、メリッサ・ユイ・シバタ(17)さんは、寿司、焼きそば、シュラスコ(ブラジル風バーベキュー)、アマゾン料理マニソバ(キャッサバの葉の煮込み)など、現地の郷土料理と和食が混在して食卓に並ぶ移民家庭の「異色な」食事風景をSNSで紹介し、2日午後5時現在で15万回再生、3万1千いいねを獲得するなど話題を集めている。9月30日付けG1サイト(1)が紹介した。
地球の真反対に位置する日本とアマゾンの二つの食文化が、食卓の上で最高の形で融合する。アマゾン河下流にあるパラー州北東部トメアスー市に暮らすシバタ家は、特別な日を祝う時には決まって、両国のご馳走を組み合わせて楽しむ習慣があるという。
メリッサさんは「祖父母は日本から海を渡ってきた。この一家の伝統は長い間続いていて、父や叔父たちが子供の頃からいつも週末に集まって親睦を深めていた」と語る。
彼女は現在高校3年生で、学業のために州都ベレン市に住むが、毎週末はトメアスー市の実家に帰省する。州都から187キロ離れていて、日本移民がアマゾン地方最大の移住地を作った場所として知られる。
大きな話題を集めた動画「異色のランチ」は、彼女の「バッチャン(祖母の愛称)」シバタ・クメコさんの米寿のお祝いパーティーを収めたもの。
彼女の実家では、各料理を混在させることで食の楽しみを追求し、面白さを引き立てるのだという。パラー州の伝統料理マニソバ(キャッサバの葉の煮込み料理。完成までに1週間かかる)と、新鮮な生サーモン寿司が同時に楽しめる。
みんなが箸を持ってタカカ(アマゾンハーブのジャンブーや干しエビが入った先住民のスープ)を食べる姿は、まるで味噌汁を飲んでいるよう。ブラジル料理に欠かせないファロファ(キャッサバ粉)も箸を使って食べる姿が注目を集めた。最後のデザートはアサイーアイスクリームで華やかに締めくくる。
「私たちは『モチヨリ(持ち寄り)』でパーティーを開き、参加する各家族が何かしらの料理を持って来る」と話す。飲食をともにして喜びを分け合う、古き良き日本の伝統文化が根強く残っていることを説明した。