サンパウロ日伯援護協会(援協)は9月26日、サンパウロ州イタペチニンガ市の同協会傘下イタペチニンガ病院(HLOB、旧サンタカーザ病院)で、国際協力機構(JICA)による「移住者の団体に対する助成金交付事業」の完工式を行った。同病院では今回の助成金事業でトモグラフィー機などの高額医療機器の導入を実現した。
完工式には税田パウロ清七援協会長、森エリオ同病院運営委員長、援協役員、JICAブラジル事務所の江口雅之所長、イタペチニンガ市のブルン・ジェフェルソン市長、ブルン・エジソン市議会議長、市保健局長、市議ら関係者が参加した。
同病院へは、トモグラフィー機を始めとする35台の医療機器導入のため、総額約380万レアルの投資が行われた。その内、約280万レがJICAからの助成となっている。
同病院はSUS病院として、一日500人の患者対応を24時間体制で行ってきた地域医療の中核的な存在。しかし、医療機器の多くは旧サンタカーザ病院時代のものを使用しており、その多くがリース契約だったため、貸借料が大きな費用負担となっていた。今回の新機器導入で約12万レの節約が可能になるという。
今回導入された機器は全て日本製で、医療品質向上にも大きく寄与することが期待される。
ビスポ・アンドレ市議の主導により、同病院へ寄付された集中治療用救急車の車内機器も、JICA助成金で整備が行われた。
ジェフェルソン市長は「ブラジル政府からの公共リソースを一切使用せず、援協及びJICAからの支援を元にこのような最新技術の医療機器を導入できたことに、イタペチニンガ市民を代表して感謝している」と語った。
森委員長は「JICA事業のおかげで、他の伯ブラジル団体や企業から協力したいと声をかけてもらえるようになった」と感謝を語った。
式典ではイタペチニンガ、サンミゲールアルカンジョ、コロニアピニャールの日本文化協会婦人部が食事を振る舞い、JICAによる日系団体を通じたブラジル社会への医療貢献を、地域の日系団体全体で歓迎した。