魅惑のブラジル都市を舞台に=国際的な映像作品10本を紹介

サンパウロ市が舞台となった『ブラック・ミラー』シリーズ5の1作目「Striking Vipers」
サンパウロ市が舞台となった『ブラック・ミラー』シリーズ5の1作目「Striking Vipers」

 風光明媚な自然、文化の多様性、豊かな伝統を持つブラジルは、国内外の数え切れないほどの映画の舞台となってきた。世界中に知られるリオやアマゾンのような典型的なブラジル以外にも、世界中の監督や映画ファンを魅了した都市はいくつもある。
 これらの作品にはブラジルの都市景観や風景の美しさはさることながら、独自の文化的エッセンスも取り入れている。そんな魅力的なブラジルの都市で撮影した10の映像作品について、14日付テラサイト(1)が紹介している。
【1】『トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part1』(2011年/パラチ・RJ)
 リオ州南部海岸パラチの歴史的な街並みが残る景観は、同作品のいくつかの場面に登場。ポルトガル植民地時代の名残が残る石畳の通り、伝統的な邸宅、魅惑的なビーチは、映画の親密でロマンチックな雰囲気を映し出す完璧な舞台に。
【2】『ブラインドネス』(2008年/サンパウロ・SP)
 ポルトガル語文学として世界初のノーベル文学賞作家となったジョゼ・サラマーゴ。その代表作を原作とするフェルナンド・メイレレス監督の映画は、サンパウロ市セントロで撮影され、世紀末的な混沌を漂わせた場面を際立たせた。賑やかな通りやそびえ立つ高層ビルは、この映画の激しく感情的な物語の理想的な背景となった。木村佳乃や伊勢谷友介など日本人俳優も出演し話題となった。
【3】『センス8』(2017年/サンパウロ・SP、リオ・RJ)
 ネットフリックス配信用に製作されたウォシャウスキー姉妹が手掛けたSFシリーズ。撮影は、サンパウロとリオで行われ、世界中を行き来する8人の見知らぬ人々が織り成す物語の完璧な背景となり、活気ある大都市の文化的多様性と建築美を際立たせた。
【4】『007/ムーンレイカー』(1979年/リオ・RJ)
 同作品ではリオがアクションシーンの舞台となった。コパカバーナやイパネマの象徴的なビーチからポン・デ・アスーカルやコルコバードのキリスト像まで、この映画は街の美しさと華やかさを見事に捉えた。
【5】『アナコンダ』(1997年/マナウス・AM)
 アマゾン熱帯雨林の奥深さが捉えられており、多くのシーンがアマゾナス州の州都マナウス市で撮影された。緑豊かなジャングル、蛇行する川、エキゾチックな野生動物が、サスペンスと冒険の雰囲気を作り出す舞台となった。
【6】『インクレディブル・ハルク』(2008年/リオ・RJ)
 マーベル・コミックの象徴的キャラクターである「ハルク」が、旅の一環としてリオに。有名なキリスト像や活気あふれるファベーラなど、リオの素晴らしい風景が映画の物語に特別なタッチを加えた。
【7】『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008年/バイーア州シャパーダ・ジアマンチーナ)
 ダイヤモンド(「ジアマンチーナ」はポ語で「ダイヤモンド」の意)のように輝く大地が広がる同地は、この映画のスリリングなシーンで、その神秘的な雰囲気と緑豊かな風景を提供し、観客に印象を強めた。壮大な洞窟と見事な滝は、有名な考古学者の壮大な探求の背景となった。
【8】『ワイルド・スピード MEGA MAX』(2011年/リオ・RJ)
 大人気のシリーズ第5作は、リオの活気あふれる街を舞台に、衝撃的なカーチェイスやカーレースを繰り広げた。リオの賑やかな通りや魅力的なエネルギーは、刺激的なストーリーにさらなるアドレナリン要素を追加した。
【9】『チャーリーズ・エンジェル』(2019年/リオ・RJ、サンパウロ・SP)
 ハリウッド映画のリバイバルとして制作。リオとサンパウロでロケが行われたこの映画は、活気に満ち文化的に豊かなこの地域の魅力を映し出し、観客の注目を集めた。
【10】『ブラック・ミラー』(2019年/サンパウロ・SP、リオ・RJ)
 シリーズ5の1作目「Striking Vipers」の舞台がサンパウロ市セントロ区。現代社会におけるテクノロジーの進歩がもたらす、暗く不穏な結末を探求した作品。魅惑的なディストピア(理想的でない未来の社会)の世界観に加え、このシリーズはブラジルの2大都市の美しさとダイナミズムにもスポットを当てている。

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