沖縄サントアンドレ支部=サントス強制退去の歴史を世に=『オキナワサントス』上映会に100人

上映会場の様子

 沖縄サントアンドレ支部(山城芳政支部長)で16日午後4時、映画『オキナワサントス』(90分、松林要樹監督)の上映会が行われ、約100人が来場した。
 開会式司会は新城安昭(やすゆき)が行い、開拓先亡者へ黙とうが捧げられた。山城支部長、サンパウロ人文科学研究所の保久原(おくばろ)ジョルジ理事長が挨拶に立った。

島袋さん

 上映に先立ち、当日欠席の上原ミルトン定雄上映実行委員長のメッセージが島袋栄喜元沖縄県人会会長によって代読された。上原氏は「サントスに住んでいた先人はスパイ扱いされ無実の罪で苦しめられた。そして、その事実は重要な歴史にも関わらず闇に葬られてきた。『オキナワサントス』は世界で初めてサントス強制退去について触れた作品。共にサントス移民について考えていきましょう」と呼び掛けた。

宮城さん

 沖縄県人移民塾代表の宮城あきら氏は、サントス強制退去に関して連邦政府に対して行っている人道的弾圧に関する謝罪請求について「日伯友好親善にマイナスになる、今更掘り起こしてどうするんだという意見もあがっているが、当事者の気持ちになって考えてほしい。住み慣れた場所、生活から24時間以内に退去を命令されたらどうですか。政府が2度と同じ過ちを繰り返さないよう訴えたい」と話し、今後も活動を続けていくと表明した。
 上映前後には松林監督からのビデオメッセージも流された。
 今回、初めて映画を見たという仲村渠メザシさん(2世)は「すごく悲しい。映画でインタビューを受けていた人に知り合いがいたけど、こんな悲しい経験をしていたなんて知らなかった。それに多くの人がこの真実を知らない。もっと色んな人が知るべきだ」と語った。
 上映終了後は、国吉隆治氏と知念雄二氏による三線の演奏と空手が披露され、最後はカチャーシーで締めくくられた。

三線演奏

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