リオ・デ・ジャネイロ州のグアナバラ湾で、漁師らが1998年のサッカーW杯を記念したペットボトルを発見した。サンゴンサロ市のポンタル島海岸のゴミの中から見つかり、海中廃棄物除去プロジェクト「アグア・ダ・グアナバラ」のメンバーによって回収された。26日付フォーリャ紙など(1)(2)が報じている。
漁師ロジェリオ・アントゥネスさんは、「このペットボトルを泥から引き上げたとき、ボトルのラベルにキャラクターが見えたんだ。『ミニ・クラッキス』がデザインされている。かなり長い間海の中で眠っていた」と見つけた時の驚きを語った。
この「ミニ・クラッキス」とは、1998年フランスW杯の際にコカ・コーラ社が広告キャンペーンの一環で作られた、有名選手25人の小さなフィギュアコレクションで、期間中にボトルキャップ5個、もしくは缶のプルタブ5個を集め、加盟店で2レアルを支払えば購入が可能だった。
ボトルは汚れ、フジツボが付着していたが、ラベルはまだ保たれており、当時のスター選手のドゥンガとロマーリオのイラストが見られる。アントゥネスさんは「このペットボトルには、当時コカ・コーラ社や他の企業が使っていた耐性のあるプラスチックが使われていた。今はプラスチックが薄くなっているからね」と言う。
25年以上経った今、ボトルはフタがない状態で見つかった。国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)によれば、ペットボトルが分解されるには200年〜600年かかるという。海や川に投棄されると、この種のプラスチックは水を汚染する有毒物質を放出する。
「アグア・ダ・グアナバラ」プロジェクトは、グアナバラ湾のゴミを取り除くことを目的としており、昨年初めから今年の9月までに約719トンの廃棄物を回収した。今年だけで回収されたゴミの量は317トンで、このプロジェクトによると、回収された廃棄物のほとんどは産業廃棄物であり、非耐久消費財以外であったという。
一番多い順に、ペットボトル、タイヤ、プラスチック全般(コップ、人形、椅子、バターの容器など)、布、缶、ガラス瓶、ビニール袋が挙げられる。
「アグア・ダ・グアナバラ」プロジェクトは、リオ州漁業者連盟(Feperj)が主催し、湾内の漁師たちの協力によって成り立っている。同組織によると、撤去された廃棄物はすべて地元の自治体に送られ、適切に処理される。
リオ州産業連盟(Firjan)の調査によると、同州ではリサイクル可能な廃棄物が20億レアル(約590億円)以上捨てられており、21年には200万トン以上が州内の埋立地に送られた。同連盟は声明で「この量は文字通り埋もれた20億レアル以上の資源に相当する」と強調した。
廃棄物の分別から新しい製品への効果的な組み込みまで、廃棄物には雇用、収入、税収を生み出す可能性を秘めている。200万トン以上の未利用の廃棄物が回収されれば、紙・段ボール製造業、プラスチック製造業、および金属製造業において、国内経済に追加の生産投資をもたらす可能性があり、その額は初期投資の20億レアルに加えて、約47億4000万(約1400億円)レアルに達すると見られている。