福島県人会=わらじ音頭初練習で汗流す=アチバイア盆踊りに向けて

振り付けの練習の様子

 「ワッショイ、ワッショイ」――ブラジル福島県人会(佐藤フランシスコ会長)は22日午前10時~正午、サンパウロ市の同県人会館で郷土の盆踊り「わらじ音頭」の初練習会を開催し、30人余りが汗を流した。練習会は11日(土)、12日(日)に同県人会アチバイア支部が開催する第55回盆踊り大会の予行演習として行われた。
 福島わらじまつりは毎年8月に開催され、12mもある日本一の大わらじを担いで練り歩いて羽黒神社に奉納する。県を代表する祭りで、東日本大震災被災後は東北六魂祭に組み入れられた。
 その際に躍るのが、わらじ音頭。1970年に作られた原曲を、2019年の同祭り50回の節目に、同市ゆかりの音楽家大友良英さんがリニューアルした。従来の盆踊りよりもリズムが早く、同じ側の手足を同時に上げるなどの若者向けの動きが多く取り入れられるなどの特徴がある。
 当日、佐藤会長は祭りの歴史や、先祖供養にまつわる盆踊りの意味を参加者に説明したあと、「この踊りをブラジルに広めたい。県人会の出し物として定着させましょう」と呼びかけた。
 ユーチューブの動画で振り付けを学んだ高知県人会の「Ryo高知よさこいチーム」の川上カミラさんら3人が講師となり、当日は2時間余り熱心に教えた。30人ほどが会館内に広がって講師の動きを真似したが、同じ側の手足を同時にあげる振り付けに最初は戸惑っている様子だった。次第に熱が入ってくると、三々五々、上着を脱ぎ始めていた。
 福島市庭坂出身の同会会計理事の梅津久さん(75歳)は、「わらじ祭りは小さい時からよく見ていた。でもこのわらじ音頭はボクの頃にはなかったね。かなり動きが複雑だが、良い運動になって良いね」と笑った。事務局の渡辺三男さん(76歳)も息を切らせてハーハー言いながら「若い人向けの盆踊りだね。でも、だいたい覚えた」と額の汗を拭いた。

 ベアトリス・シルヴァさん(27歳)は「初めて盆踊りを踊った。けっこう難しいけど、その分、楽しい。ブラジルのダンスとは動きやリズムが全然違う」と述べ、早々に振り付けを覚えて、講師と一緒に見本を見せる側に回っていた。
 アチバイア支部の盆踊り大会は、11日(土)正午から午後10時、12日(日)午前10時から午後7時まで、サンパウロ州アチバイア市ビラ・タイス区のセントロ・デ・コンベンソンエス・アチバイア(Al. Lucas Nogueira Garcez, 511)で行われる。
 皆が自由に参加できる盆踊りに加え、各種日本食やアトラクションも用意されている。
 サンパウロ市リベルダーデ区の福島県人会会館から12日午前9時出発でバスが出る。一人70レアルで要予約(電話11・3208・8499、fukushimakenjinsp@gmail.com)。

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