強烈な熱波に注意喚起=中西部は44度越えも

ブラジルの広範囲を覆う熱波(10日付G1サイトの記事の一部)
ブラジルの広範囲を覆う熱波(10日付G1サイトの記事の一部)

 国立気象観測所(Inmet)によると、ブラジルのほぼ全土に到来した猛烈な熱波は、週末以降さらに強まると予想され、15日にかけての連休にピークに達する見込みだ。中西部、東南部、北東部など広範な地域で気温が摂氏40度に達する可能性が高く、中西部の一部の都市では44度を超える記録的な猛暑が予想されている。一方、南部諸州では、寒冷前線の影響で大雨が予想されている。10日付CNNブラジルサイトなど(1)(2)(3)が報じている。
 中西部、南東部、北東部では乾燥した空気の塊が広がり、雲が見られず、雨も降らない。今週末から3~5日間は暑さが続き、平年より5度程度高い気温をもたらす見込みだ。気温上昇に伴い、異常乾燥への警戒も高まると見られている。
 気象の専門家によると、太平洋東部の赤道付近の海面温度が上昇する「エルニーニョ現象」が熱波をもたらす主要因の一つで、これが9月にブラジルで起きた気温上昇の原因の一つと考えられている。今年下半期に経験する熱波は、これで4回目となる。
 Inmetは熱波による影響が特に大きいとされる、サンパウロ州、ミナス・ジェライス州、マトグロッソ州、マトグロッソ・ド・スル州、ゴイアス州の5州と連邦直轄区に危険警報を発令した。
 サンパウロ州では今週末に南からの寒冷前線が到達するが、連日の高温を十分に和らげるほどのものではないという。専門家によると、この寒冷前線は海上を通過するため、先週のような大停電をもたらすほどの強さはないという。また、湿度が高いため、局地的に大雨が発生する可能性もあると予想されている。
 一方、南部では、海に抜ける寒冷前線とパラグアイの低気圧が重なり、週末を通じて暴風雨をもたらすと予想されている。Inmetはリオ・グランデ・ド・スル州南部地域に対し、今後24時間の降水量は50ミリ、風速も60キロに達し、雹が降る恐れがあると警告した。
 にわか雨は南部全体で起こると予想されている。パラナ州東部とサンタカタリーナ州東部では晴れ間も見られるが、局地的な雨に注意が必要だ。大気の状態が不安定な地域は11日により強まり、南大河州南部を中心に暴風雨をもたらすと予想されている。

最新記事