ルーラ大統領(労働者党・PT)は7日、ノルデステ(ブラジル北東地域)の伝統音楽フォホー(forró)を国家文化として認定する法案5・838/2019を裁可した。8日付テラ・サイトなど(1)(2)(3)が報じた。
この法案によれば、フォホーはブラジルにおける最も伝統的な音楽のジャンルの一つだ。ノルデステ地方の伝統的なリズム(バイオン、シャシャド、ココ、アラスタ・ペ、ショテなど)が融合し、約70年前に生まれ、主に農村地域で発展してきた。
このジャンルが人気を博したのは、1940年代にペルナンブコ州の作曲家で歌手のルイス・ゴンザガ氏の成功が大きい。この時期に同氏がウンベルト・テイシェイラ氏と組んで「アーザ・ブランカ(白い翼)」を発表し全国的な大ヒットとなり、「ノルデステ讃歌」の異名をとった。
フォホーの演奏には、アコーディオン、トライアングル、ザブンバ(太鼓)という三つの楽器が欠かせない。特にトライアングルの叩き方が独特で、その三角形の中にバチを入れ、かき回すように叩いてリズムを作る。この音楽に合わせて踊るペアダンスも、老若男女から愛されている。
同法案はゼ・ネト連邦下議(PT)が提出し、上院ではテレザ・レイトン上議(PT)が報告者を務めた。7日の法案署名式には、マルガレッテ・メネゼス文化相とアレッシャンドレ・パジーリャ大統領府渉外室長官が出席した。
2021年に国立歴史美術遺産院(Iphan)は、フォホーをブラジル文化遺産に認定しており、ノルデステ地方の豊かな文化遺産を保護する上で重要であることを強調している。
起草者でノルデステ地方バイア州出身のネト下議は、リズム、物語、メロディーのユニークな融合が、フォホーをブラジル国内外で人気に押し上げたと述べ、自身のSNSへの投稿で、法案の実現に喜びを表した。
「フォホーはノルデステにおける重要な芸術的・文化的表現であり、ブラジル文化の多様性を保存し、祝う上で重要な役割を果たしている。我々の文化の真の宝であることはもちろん、フォホーに関連する様々な活動が国内外から観光客を集め、雇用と収入の源となり、社会的および経済的な発展を促進している。フォホー万歳!」と祝辞を述べた。
良く聞かれる俗説に「フォホーという言葉は、大戦中にナタール基地で働いていた米兵たちが開いたパーティーのせいで、『みんなのため』を意味する『for all』から来ているというものがある。
だが、2020年7月31日付ヴェージャ誌によれば、forró という単語を英語のfor allから派生させたという説は《単なる伝説の一つにすぎない》と断言。というのも、カンディド・デ・フィゲイレドによって1913年に、その言葉はすでに辞書に掲載されていたからだ。