共同通信14日付《首相、ブラジル訪問調整 来年1月、新興国と連携》(本面3段記事)によれば、岸田文雄首相が来年1月前半にもブラジルなど中南米諸国を訪問する方向で調整に入ったという。来年11月にリオでG20が開催されることもあり、その議長国であるブラジルとの事前調整や新興・途上国との連携を強化するのが目的のようだ。同記事によれば《首相はブラジルのルーラ大統領との会談で、鉱物資源やエネルギー、食料分野での協力推進を確認したい考え。国連安全保障理事会改革も議題に上る見通しだ》とのこと。実現すれば、現役総理のブラジル訪問は2014年の安倍晋三氏以来となる。日系社会代表らに首相ブラジル訪問に期待する声を聞いてみた。
ブラジル日本都道府県人会連合会の市川利雄会長に聞くと「パンデミックが明けて、昨年から今年にかけて知事や副知事、県議会議長や副議長など21県から訪問してくれた。そのうえ、今度は岸田首相に来ていただけるとは本当にありがたい。2国間交流に加えて、貿易などのビジネス面での繋がりを深めるような取り組みを、日系社会としても皆で話し合ってしっかりと考えていきたい」と述べた。
ブラジル日本文化福祉協会の石川レナト会長も「日系社会としてぜひ歓迎したいので慰霊碑や日本館に加え、文協ビルにも来ていただき移民史料館もご覧いただきたい。総理を前回お迎えした時と同様に、盛大な歓迎会ができれば」との期待を寄せた。更にサンタクスル日本病院評議員会議長として「お時間があればぜひ日本病院にも足を運んでいただき、院内だけでなく文科省のスタディ・イン・ジャパン(日本留学海外拠点連携推進事業)の様子もご覧にいれたい」とのべた。
2020年は日伯修好通商航海条約締結125周年だったがパンデミックで何もできず、今年はブラジル日本移民115周年だったが格段の節目イベントはなかった。次の周年記念である2025年の修好条約130周年やブラジル日本文化福祉協会創立70周年、28年の移民120周年に向けて、日系社会としても何らかの大型プロジェクトや提案するのであれば、しっかりと意見をまとめるべきタイミングかもしれない。