ミナス・ジェライス州北東部のアラクアイ市で19日、国内史上最高気温44・8℃を記録した。これにより2005年の北東部ピアウイ州ボン・ジェズス市で観測された44・7℃の記録を更新した。20日付ポデール360サイト(1)が報じている。
この高温は今年発生した熱波の影響によるもので、国立気象観測所(Inmet)は先週、2707の自治体に厳戒態勢を敷いていた。
16日付BBCブラジルの記事(2)によると、ブラジル全土で高温に見舞われる要因の一つに、気象現象「ヒートドーム」が挙げられる。これは、大気中で大規模な暖かい空気が閉じ込められ、雨や寒冷前線の進入を阻害し、気温を急激に上昇させる現象だ。
このヒートドームはブラジルだけでなく、北米や南ヨーロッパでも灼熱の暑さ、記録的な気温、山火事を引き起こしており、世界的に発生している現象だ。
簡単に言うと、高気圧が何日も同じ場所に留まり、鍋の蓋のように非常に暖かい空気を下に閉じ込めたときに、ヒートドームが形成される。大気上層部のジェット気流が弱くなったりすると、気圧配置が一時的に固定されることがある。ジェット気流は通常、蛇行する波状パターンを持っているが、この蛇行が大きくなりすぎると動きが鈍くなって静止状態になり、このときヒートドームが発生する。
サンタカタリーナ連邦大学の准教授であるマリーナ・ヒロタ氏によると、ヒートドーム内はまるで巨大な暖かい空気泡のようで、上から下に垂直に循環する空気が高気圧の影響で地表に押し下げられ、この過程で暖かい空気は圧縮され、さらに熱を発生させる。高気圧領域は、鍋の蓋のように暖かい空気を閉じ込め、州をまたがるような広範囲の地域に影響を及ぼす。
ヒロタ氏によると、通常この気象現象は冬季に発生するものであり、太陽放射が少ないため気温の上昇は見らない。だが、今回のように数日から数週間にわたるブロッキング現象は稀であり、その結果として雲の進入が阻害され、太陽光線の放射量が増加し、春や夏には温度がさらに上昇して乾燥するという。
南大河連邦大学教授で地理学者のフランシスコ・エリセウ・アキノ氏は、最近の熱波は気候変動やエルニーニョなどに影響を受けており、それが強化されていると強調する。
エルニーニョは、太平洋の表面水温が平均を上回る状態を指し、これがブラジルなどの地域の気候に影響を与える。特に勢力の強いエルニーニョはアマゾン地域とブラジル中西部の雨季の到来を妨げ、これが森林伐採や森林火災、不適切な土地利用と組み合わさり、乾燥と熱波の発生条件を作り出してしまう。
これらの要因は将来的にも続く可能性があり、予測によれば高気圧領域が増加し、降雨量が減少し、熱波が増大するとみられる。
アキノ氏は、気象の変化に伴い、ブラジル全体の降水パターンが大きく変わる可能性すらあるとする。現在は大西洋からアマゾン地域に吹き込んだ、湿気を含んだ気団がアンデス山脈にぶつかって南下して南東部へと湿気や雨をもたらす回廊が存在している。だが、この軸が徐々に変化することにより、降雨域が南部地域へと移動することが予想されている。