街角ちょっと見=次世代に引き継がれる活気と伝統

合唱をする生徒たち

 ピラール・ド・スール文化体育協会創立70周年式典が10月21日、サンパウロ州ピラール・ド・スール市の同協会会館で行われた。コラム子は9月に記者になったばかりで、聖南西地区の催しに参加したのは今回が初めてだ。同協会の活動に参加する子どもたちは活発な子が多く、覚えたての日本語で積極的に話しかけてくれる。すっかり打ち解けてあっという間に身内気分になってしまった。
 式典ではピラール・ド・スール日本語学校生徒代表による日ポ語での挨拶と太鼓の演奏が行われた。式典後には、合唱や合奏、来場者を巻き込んでの演劇「おおきなかぶ」を上演して会場を大いに盛り上げた。
 日本語学校卒業生も多く参加し、まるでアメリカの大学で行われる卒業生と在学生の交流イベント「ホームカミングデー」のようだった。
 式典の司会は6人の卒業生が務めた。式典に参加することは会館が彼らにとって居心地が良い場所であるということだろう。
 ピラール・ド・スール日本語学校は日本語や文化だけでなく、教養が身につくと定評がある。その為、現在、生徒の半分以上が非日系人だ。日系人以外の生徒が日本語学校に通うことは喜ばしいことだ。

 マルコス・ファビオ副市長は祝辞の際に、自身の娘が日本語学校に8年間通っていたことについて触れ「娘は日本語を学び、文化、教養、責任感を身に着けた。毎週金曜日のトイレ掃除の日を嫌がっていたが自分の学校を綺麗にすることは人生の財産になるから行きなさいと私は助言した。彼女に多くの学びを与えてくれて感謝する」と話した。
 日本人、日系人、非日系人の区別なく文協活動を継承し続けてほしいものだ。(莉)

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