猛暑の続くブラジル。冷たいものが食べたい――。そんな時は聖市地下鉄プラッサ・ダ・アルボレ駅から徒歩5分の日本食レストラン「おがわ」の冷やし中華(一人前71レアル)がお勧めだ。
「おがわ」は綺麗な一軒家が並ぶ住宅街の一角にある。駅から近いとはいえ、記録的な暑さのこの夏の昼間では、わずかな距離を歩いただけでも汗ばんでしまう。店に入るとクーラーの涼しい風に人心地着く思いがした。店内にはカウンターとテーブル合わせて約40席ほどがあり、こじんまりとした落ち着きのある雰囲気だ。
「おがわ」は小川恵子さん(70)、正夫さん(61)の姉弟が1993年に立ち上げた。正夫さんは89年~91年に、叔父一家がいる栃木県小山市の工場でデカセギとして働いていて、帰国するか悩んでいたところに、栄養士の恵子さんがブラジルで日本食レストランを開くから一緒にやろうと声をかけ、開業した。
メニューには当地日本食の定番である刺身や手巻きだけでなく、焼き魚定食や豚の生姜焼き定食、すき焼き、しゃぶしゃぶなど日本人好みのメニューも豊富に並ぶ。
しかし、今日のお目当ては冷やし中華だ。
「おがわ」の冷やし中華は具沢山。トマトに卵焼き、人参、きゅうり、チャーシュー、もやし、カニカマ、ネギが盛られている。日本の冷やし中華のトッピングはきゅうり、錦糸卵、ハムくらいだろう。しっかりと練りからしが添えられているのも嬉しい。
「おがわ」の冷やし中華は、一口ごとに麺をタレにつけて食べる「つけ麺式」なのも特徴的だ。つけダレはさっぱりとお酢のきいた和風醤油味。存外に卵焼きとの相性がいい。頃合いにからしを乗せれば一気にアクセントがついて箸も進む。やはり暑い日に食べる冷やし中華の美味さは格別だ。
ふとメニューに目をやると「天ぷらアイス」(26・50レアル)なるものを見つけてしまった。すかさず注文。初見のものに目がない。
運ばれてきたアイスは揚げ衣に包まれ、少々の熱気を持っている。お皿もほんのり温かい。一口。口の中に冷たさと温かさ、相反する感覚が広がる。アイスとてんぷら、両方の特性を活かした贅沢なデザートだ。
地元の人に愛され、今年で創業30年を迎えたレストランおがわ。「豊富なメニューが自慢です」と笑顔で話す恵子さん。
記録的な暑さの今夏、「おがわ」で涼むのはグッドアイディアでは?
【レストラン「おがわ」店舗情報】
営業時間:
火~土曜午前11時30分~午後2時30分、午後6時30分~午後10時
日曜午前11時30~午後3時
定休日:
月、最終日曜
※12月24日~1月9日まで年末年始休業
住所:
Rua Urutuba, 314, Saúde, São Paulo – SP
電話:11・5584・9395