女優のダニエレ・スズキがポッドキャスト番組「タ・ベニート」に出演し、グローボ局での給与格差に苦しんだ過去を明かした。他の役者と比較してギャラが低かった理由は「自分が日本人であったため」と述べた。21日付ボラウィッピ(1)が報じている。
日系3世のダニエレは15歳でモデルとして芸能キャリアをスタート。2005年放送のティーン向けドラマ「マリャソン」で人気を博した。2022年放送のテレビドラマ「サンディ&ジュニオール」で、ダニエレのギャラは出演者で最低だった。
「(グローボ局では)彼らはその理由として『私が日本人だから』って包み隠さず伝えてきた。ギャラ交渉に行くたびに『ダニー、今度いつまた働けるかな。君のようなアジア人のプロフィールではキャスティングが難しいからね』と言われた。休みもとらずに働いていたのに」。
ダニエレによれば、当時の稼ぎは仕事現場に通うための交通費にしかならなかったという。「お金を稼ぐようになったのは、毎月テレビコマーシャルに出演するようになってから。当時はこれが頼りだったけど、1500レアルを稼いでも27%が税金で持っていかれる。グローボの撮影スタジオに通うために、月〜土曜日に8回ずつバスに乗ったから、お金はほとんど残らなかった」と振り返る。
その後着々とキャリアを積んできた彼女だが、2016年の連続ドラマ「ソル・ナセンチ(日の出)」の時に受けた不当な出来事がきっかけで、グローボ局との決別を決意する。(2)
「そのドラマからは、明確な理由なく降板させられた。当初は私が主人公を演じる予定だったけど、『もっと若い女優が欲しい』との理由で取り消された。でも実際には、私より2歳年上の女優ジオヴァンナ・アントネリを後任に据えたの」。その後「ユミ」という別の役柄にいったん回されたが、同様の理由で再び別の女優に置き換えられた。
この物語は作家ヴァルテル・ネグラン氏がダニエレのために書き下ろしたものとされ、ある程度事実に基づいている。この作品は、物語の中心が日本移民家庭なのに、日系人俳優を起用しなかったことで、批評家や視聴者から当時非難されていた。
興味深いのは、主演アントネリが、監督の一人レオナルド・ノゲイラと結婚していることだ。
ダニエレは当時の状況を「まったくの嘘だらけの現実」とし、これをきっかけに「より現実的で自分らしい作品に関わりたいとの思いが強くなった」という。
この経験は、彼女にとって自分自身を押し上げる「贈り物」となり、国際的な舞台に挑戦し、ドキュメンタリーの監督や難民問題に取り組むなど、人生の新たな扉が開かれたと説明した。