ブラジル山形県人会(佐藤マリオ会長)は10月29日、創設70年目にして初めて周年式典をパラナ州ロンドリーナ市で開催した。式典は母県からの慶祝団を含む300人以上が参加する盛会となった。式典成功の立役者となったのは県人会副会長の鈴木源治さん(山形市・85歳)だ。
鈴木さんは、南米産業開発青年隊6期生の一員として1960年にブラジルへ渡った。約30年間にわたって県人会活動に貢献してきた。
鈴木さんは、6年前からロンドリーナでの式典開催を希望していた。県人会の式典は戦前移民の多いサンパウロ市で開催されてきたが、鈴木さんは戦後移民も多いパラナ州で式典を開催することで、県人会の地方連携を強化し、県人会活動の活性化を目指した。
しかし、鈴木さんの提案は当初、式典準備を担当するロンドリーナ支部から、今までにない試みで責任も重いと断られ、実現しなかった。
そこで鈴木さんは毎年2回ほどロンドリーナ支部に足を運び、支部役員ら一人一人に、同地で式典を開催する意義や自身の県人会の未来に対する思いを根気よく説得していった。
念願が叶ったのは昨年10月、周年式典開催について話し合うため、佐藤会長、齋藤保副会長とロンドリーナを訪問した際のこと。同支部役員らとの会議で、全会一致でロンドリーナ支部での開催が採択された。
式典を無事に終えた鈴木さんは「6年越しの思いが叶ってよかった。ロンドリーナで山形県人会が一丸となった。本当に感無量です。今後の山形県人会のさらなる発展に期待しています」と笑顔を見せた。