サンタカタリーナ州シャンシェレ市の労働裁判所で行われたオンライン法廷での一幕が問題となり、裁判官キスマラ・ブルストリン氏の行動が国家法務審議会(CNJ)によって調査されることが、11月29日に決定した。ブルストリン氏は審議中、証人が彼女を「エセレンシア(閣下)」と呼ばなかったことに対して、礼儀が欠けていると怒り叫び、「エセレンシア」と呼ばない場合、証言は「完全に無視される」と主張して批判が広がった。29日付エスタードなど(1)(2)(3)が報じている。
ブルストリン氏に関する調査は、同氏が証言していた男性に向けて怒鳴りつける映像がSNSで拡散したことを受けて始まった。11月14日に開かれた、問題となった法廷の映像では、興奮した様子の裁判官が写っており、証人男性に対して「あなたは私に対してこう話さないといけません。『何をご希望なさいますか、閣下? お答えいただけますでしょうか。お願い致します』です!」と叱責し、自分に対して恭しく扱うべきだと居丈高に主張した。
男性は何が起こったのか理解できない様子でうろたえていると、裁判官は声を荒げて「(閣下と)言いたくなければ言わなくてもいいが、もし言わなければ、あなたの証言はここで終わり。証言は完全無効となる」とトドメの一言を放った。さらに、彼女は証人に向かって「口汚い男」と叫んだ。
CNJは、ブルストリン氏が「弁護士、当事者、証人に対する礼儀など、司法固有の義務に違反した」可能性があると見ている。同労働裁判所は同氏が行った裁判の即時停止を決定し、この決定は保留中の判決や手続きに損害がないことを説明した。
さらに、ブラジル弁護士会(OAB)の同州支部は労働裁判所に対し、判事の行為が繰り返されないようブルストリン氏に対して措置を講じるよう要請した。
なお、ブルストリン氏の給与や手当に関する情報も注目を集めている。彼女の月給は月額3万3925レアル(120万円相当)で、これに加えて1月から10月までの諸手当支給額だけで5万8920レアル(177万円相当)に達していた。行動が問題視されたこの法廷での一件により、裁判官の特別待遇に対する一層の注目が集まっている。