国連推計によれば、温室効果ガス排出が続く場合、氷河の融解により海面が上昇し、2100年までにリオ市やサンパウロ州サントス市を含む複数都市の海抜の低い地域の5%が海面下に沈む可能性がある。11月28日付テラ・サイトなど(1)(2)が報じている。
この予測は国連と米国研究機関クライメート・インパクトが作成した。世界の平均気温が現在のペースで上昇し続ければ、現在約1400万人が暮らしている地域が影響を受けることになる。国連は声明で「海面上昇のため、今世紀半ばまでに数百の都市が水没リスクに直面するだろう」述べた。
気候変動抑制策が講じられない場合、沿岸都市人口の5%住が住む低海抜地域が、2050年までにこの問題に直面する危険性が予測されており、最悪の場合、人口10%まで被害が及ぶ可能性を示唆している。一般的に沿岸地域は居住者が多いことで知られている。
この予測では2100年までに沿岸部の約16万平方kmが浸水する見込みで、これはギリシャやバングラデシュよりも広い面積だ。
ブラジルでは2040〜59年の間にサントス市で27・74cm、リオ市で23・84cmの海面上昇が予想されており、2080〜99年までには、それぞれ72・85cmと65・67cmの上昇が見積もられている。
国連によれば、沿岸線の防御施設の設置や地球温暖化の抑制のための対策が講じられない場合、サントス市やリオ市の他に、以下の都市の5%以上が永久的に海面下になる可能性がある。
【グアヤキル、エクアドル】【バランキージャ、コロンビア】【キングストン、ジャマイカ】【コトヌー、ベナン】【カルカッタ、インド】【パース、オーストラリア】【ニューカッスル、同】【シドニー、同】
クライメート・インパクトのハンナ・ヘス副所長は「これらの予測は性急な結論ではない」と言う。「温室効果ガスの排出量削減のための迅速かつ持続可能な対応は、沿岸地域社会への影響の速度と程度に影響する。排出量を削減することは、リスクを軽減するだけでなく、海面上昇に備え、積極的に行動する時間を増やすことにもなる」とヘス氏は付け加えた。