ブラジルには地質的な特異性、科学的な重要性を持つ五つのジオパークがあり、ユネスコに登録されているが、まだあまり知られていない。一見するとただの岩山のように思えるかもしれないが、考古学、地質学、古生物学などの学問を通じて、まるで地球が進化の歴史を語っているかのように感じられる場所だ。11月27日付テラ・サイト(1)が紹介している。
「ジオパーク」とは、地球の歴史や進化の証となる景観や地層が存在する地質学的に重要な地域で、保護するためにユネスコが1990年に創設した。地域の自然と文化を結びつけ、大地の遺産を教育に役立て、持続可能な土地の発展を促進する役割を果たしている。
ブラジル地質調査所(SGB)によると、ジオパークに認定されるには、「特に観光による経済活動を生み出し、科学的に重要で、教育や観光に利用できる可能性のある地質学的遺跡が多数含まれている」必要がある。
現在、既に認定済みの5カ所の他に、マット・グロッソ州のシャパーダ・ドス・ギマランイスなど36件のプロジェクトが国際的に価値のある地質遺産としての認定を目指して進行中だ。
ブラジルにあるジオパーク五つは以下の通り。
【1】Caminhos dos Cânions do Sul(SC / RS)=サンタカタリナ州とリオ・グランデ・ド・スル州に広がり、深い渓谷を形成。アパラードス・ダ・セラ国立公園内にある渓谷の壁は、高さ900m、全長7・5kmに及び、ユネスコによれば約180万年前に形成された。イタインベジーニョ渓谷のトレッキングが人気。
【2】Quarta Colônia(RS)=リオ・グランデ・ド・スル州の中心部に位置し、パンパ(低木草が広がる高原地帯)とマタ・アトランチカ(熱帯雨林)との異なる生態系の境界地域にある。約2億3300万年前から独自の進化を遂げ、古生物学的に重要な遺産として世界的に注目されている。
【3】Caçapava do Sul(RS)=リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ市から約260キロ離れた場所にある。オオナマケモノなどの絶滅した巨大動物の化石や、地質学的にも珍しい5億年以上前の堆積岩が見られる。見どころのひとつはセグレド渓谷で、洞窟やカマカン川でのカヤックなどアドベンチャー・ツーリズムが楽しめる。
【4】Geoparque Seridó(RN)=リオ・グランデ・ド・ノルテ州の中南部に位置し、地質学的に重要な場所が21あり、約600万年の地球の歴史を知ることができる。考古学的な遺跡はもちろん、渓谷を眺めながらのトレッキングなど、多彩な活動が楽しめる。今年4月にユネスコ登録されたばかりで、国際的な認知度を獲得し、同地域に観光客を呼び込み、経済的にプラスの影響をもたらすことが期待されている。
【5】Araripe(CE)=ここはアメリカ大陸初のジオパークで、セアラ州に位置して2006年9月以来、地質学的および古生物学的に重要な遺産を保護している。ここはブラジル初の国立森林公園、地域固有の野鳥保護施設もあり、サンタナ・ド・カリリのプテロサウルス公園は、未だに古生物学的な発掘が行われている。