ベネズエラとガイアナの間でエセキボの領土争いが激化している。専門家らは可能性が低いとみているが、直接対決に発展した場合、ガイアナは自国より50倍もの軍事力を有するベネズエラと対立することになると、5日付G1サイト(1)が報じている。
米国諜報機関CIAによると、ベネズエラの軍事投資は世界6番目で、南米大陸で最も装備が整った軍隊の一つ。対してガイアナは152番目にすぎない。
そのため、専門家によれば仮に紛争が発生すれば、米国とブラジルなども巻き込まれる可能性がある。ベネズエラが陸路でガイアナに侵攻する場合、ブラジル領土を通過する可能性が高いと指摘されている。しかしブラジルは〝中立〟を堅持する関係で、ベネズエラ軍がブラジル領土を通過するなどの、ルーラ大統領を怒らせるような行動をとる可能性は低いとの見方もある。
ガイアナ侵攻に陸路を使えばアマゾンの密林を通る必要があり、部隊の進軍を困難にする。海上進攻も一つの選択肢だが、一見して侵攻が分かりやすい形になり、政治的コストが高くなると指摘する声もある。
ガイアナ国防軍は1965年に設立され、陸軍、空軍、沿岸警備隊、ガイアナ国家予備軍を擁する統合軍だ。英国連邦に属する英語圏の国だけに、軍もブラジル、中国、フランス、イギリス、米国と関係を維持しており、将校の大半は英国王立陸軍士官学校で訓練を受けている。
CIAが公開したデータによれば、ガイアナ軍の総人員はわずか3千人。ガイアナの装備は古く、70年代の戦車や40年代の迫撃砲が含まれている。
フォーリャ紙によると、国の装備は約6台の装甲戦車、54台の大砲、3隻の巡視船、および3機のヘリコプターを備えていると報告されている。
一方、ベネズエラのボリバル国軍の起源は1810年にさかのぼり、現在では12万5千〜15万人の現役軍人を擁し、その中には2万5千〜3万人の国家警備隊も含まれている。加えて、紛争の際にはボリバル民兵(20万〜22万5千人)と警察(約4万5千人)も参加するとみられている。
ベネズエラにはロシアからの軍事支援があり、514台の装甲戦車、545台の砲兵装備、25隻の巡視船、118機のヘリコプターに加え、40機の戦闘機と440門の対空砲を所有している。陸軍は戦車、戦闘機、対空防空システムで武装している。
この二国間の衝突に関し、国際司法裁判所は1日、ベネズエラのエセキボ併合は無効との判決を下した。ベネズエラ政府はこの決定が国内問題への干渉であり、憲法に違反していると主張し、国際司法裁判所の管轄権を認めていないと主張している。このエセキボ所有権問題が落ち着くまでに、数年かかるとの見方まで出ている。