5日間に渡って聖市で開かれた中南米最大のエンタメ祭「CCXP2023」が3日に閉幕し、過去最高の28万7千人の来場者数を集めた。このイベントが始まって以来最多となる105の企業が参加したと、6日付オメレッテサイト(1)が伝えている。
CCXPは今年10周年を迎えた。イベント責任者のレナト・ファブリ氏は、「今では単なるイベントではなく、エンタメ産業とファンが対話する場になった。ここで提供される経験は、物理的に参加している人々だけでなくネットワーク、メディア、国際的な領域にまで影響を与えている。これは10年間の我々の努力の結果であり、CCXPブランドは世界市場において、ますます強力で不可欠な存在となっている」と述べた。
5日間を通し、セルトン・メロ氏、アニャ・テイラー=ジョイ氏、クリス・ヘムズワース氏といった国内外のトップアーティストが集結する中、日本ホラー漫画界のビッグネーム、伊藤潤二氏も参加。イベントの目玉の特大ステージでのパネルディスカッションに登壇。自身の作品、今後のプロジェクト、またブラジルのホラーに対する考えについて語った。(2)
伊藤氏はブラジルでの人気も高く、登場した瞬間、観客から大歓声が上がった。
伊藤氏は作風や手法について、「作品ごとに独立した世界や物語を構築し、それらが同じ『宇宙』に存在するわけではない。しかし、キャラクターが物語の中で進化し、その進化に伴って別の作品のキャラクターが類似点を持つようになった場合は、彼らを同じ物語に組み込むかどうかを判断している」と話す。
これにより、異なる作品同士がつながりを持ちつつも、それぞれが独自の物語を展開しているという特徴が生まれると説明した。
伊藤氏は、日本に帰国後すぐに「『富江』の続編を制作予定だ」と明かし、今回のブラジル滞在が「今後の制作活動に影響を与える可能性がある」と語った。
「ブラジルの皆さんの『富江』への情熱が新しい物語に影響を与えるかもしれない。ここでの情熱を全て受け取って帰ります」と述べ、ファンを沸かせた。
次回の「CCXP24」は2024年12月5〜8日の予定。その前2024年5月3〜5日にメキシコでの初開催が決定しており、9万人が集まることが期待されている。