茶道裏千家ブラジルセンターが11月26日に行った宗旦忌の濃茶席では、涼やかな水まんじゅうが供された。水まんじゅう作りを担当したのは、茶道歴45年の松原宗美教授だ。
松原さんはブラジルに在住して60年。日本に行く度に和菓子の勉強を行い、当地で試行錯誤を重ねながら和菓子作りの腕を磨いた。
今回の濃茶席では、「夏」をテーマにして、供する和菓子を選考。「涼しさ」に着目して水まんじゅうを選んだ。材料に使用する餅くずなどは、全て日本から持ってきたという。水まんじゅうは葉を模した透明感のあるスウェーデン製の緑色のガラス皿に盛られてより涼し気に。添えられた金箔に宗旦忌の格式の高さが感じられた。今回供した水まんじゅうには「四方(よも)の光」と名が付けられた。
日本から遠く離れた伯国で、本格的な「和」を感じられるのは、松原さんたちのような先人の努力の積み重ねのお陰。涼やかな水まんじゅうに日本移民への歴史を重ねながら、美味しく頂かせてもらった。(ア)