児童の違法就労が増加=最賃半額、危険労働も

路上で車の窓ガラスを洗う少年(Foto: Valter Campanato/Agencia Brasil)
路上で車の窓ガラスを洗う少年(Foto: Valter Campanato/Agencia Brasil)

 地理統計院(IBGE)が20日に発表したデータによると、ブラジルでは2022年に、児童労働にあたる5〜17歳の児童および青少年の就労者が約190万人いた。この数字は過去3年間で増加していると、20日付CNNブラジルなど(1)(2)が報じている。
 同調査は2016年から行われているが、2020年と21年は新型コロナウイルスのパンデミックにより、実施されなかった。
 5〜17歳の労働人口は、2019年には同年齢層の総人口の4・5%だったが、22年にはこの割合が4・9%に増加した。19〜22年の間に、同年齢層の人口は1・4%減少したにもかかわらず、児童労働人口は7%増加した。
 連邦憲法は、14歳からの見習いを除き、16歳未満の児童および青少年の就労を禁じている。18歳までは、夜間、危険、不健康な労働は禁止されている。労働法(CLT)と児童青少年憲章(ECA)にも同様の禁止規定がある。
 国際労働機関(ILO)によれば、児童労働は個人の健康や精神的、身体的、社会的、道徳的な発達を損ない、就学にも影響を与える可能性があるという。
 労働内容は、農業が22・8%を占め、商業と修理業が約27・9%だった。また、6・7%は家事労働に従事。残りの42・6%はその他の経済活動に分散していた。
 同調査では、75万6千人の児童・青少年が、連邦政府のTIPリスト(国内で最悪の形態の児童労働をリストアップしたもの)に記載された活動に従事していたことも判明した。これは、一般的に、事故の危険性があったり、健康を害したりする業務で、建設業、食肉処理場、機械工場、公共の場での露天販売、ゴミ収集、アルコール飲料の販売などが含まれている。
 22年に経済活動に従事していた未成年者の平均月収は716レアル(2万8千円相当)で、同年の最低賃金1212レアルの約半分だった。
 また、5〜17歳の人口全体の非就学者は2・9%だが、同年齢層の労働者は12・1%が学校に通っていなかった。
 ブラジルにおける児童労働の大部分は男児であり、22年の場合は全体の65・1%を占めていた。
 一方、人種別の分布も不平等を示している。この年齢層の40・3%は白人だが、児童労働全体ではその割合が33%に止まった。一方、黒人と混血は同年齢層全体の58・8%を占めるが、児童労働者全体での比率は66・3%に上る。また、平均所得は、白人の平均月収817レアルに対し、8割程度の660レアルだった。

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