【2024年新年特集号】大きな飛躍の年に=ブラジル日本商工会議所 会頭 小寺勇輝

小寺勇輝会頭

 新年明けましておめでとうございます。
 旧年中は、当商工会議所のさまざまな活動に際し、皆様から多大なご支援とご協力を頂きました。改めて厚く御礼申し上げます。新しい年を迎えるにあたり、ブラジル日本商工会議所を代表してご挨拶を申し上げます。
 昨年を振り返りますと、世界ではロシア・ウクライナ戦争、米中対立や北朝鮮の脅威が長期化する中、イスラエル・ハマス紛争により中東情勢が悪化するなど、地政学リスクが一段と顕在化した年となりました。ブラジルでは、1月に新政権が誕生。ルラ大統領は現金給付の拡大や最低賃金の引き上げを行うなど選挙公約を実現すると共に、永年の課題となっている税制改革を押し進めています。
 また、新成長加速プログラム(PAC)を発表し、政府主導で貧富格差の縮小、インフラの整備やクリーンエネルギーを活用しながら経済発展を企図しています。インフレもコントロールされつつあり、8月から利下げが開始され、経済・商業活動の活発化が期待されています。
 ブラジルと日本という観点では、昨年は外交面での進展がありました。年初の小渕特派大使による大統領就任式へのご出席から始まり、林外務大臣(当時)のご来伯、そして5月にはルラ大統領がG7サミット参加の為、広島を訪問し日伯首脳会談が開催されました。
 何よりの成果は日本・ブラジル両国の国民が相手国での短期滞在には査証が免除されることになったことです。これにより両国間の様々なレベルでの往来が拡大し、その結果日本とブラジルの関係が活性化されることを祈念致します。
 ブラジルは昨年12月からG20の議長国に就任し、今年11月にはリオデジャネイロでG20会合が開催されます。ブラジルに対する世界の注目度が益々高まると共に、各種会合出席の為、日本からの政府要人の来訪が増えてきます。
 ブラジルは日本にとり普遍的価値観を共有すると共に、世界最大の日系社会を持つ特別な絆を持つ重要なパートナー国です。世界経済がブロック化し、地政学リスク上昇によりサプライチェーンの見直しが行われる中、今年こそ日本メルコスルEPA締結に向けた動きが加速され、具体的成果に繋がることを大いに期待しています。商工会議所としても積極的に働き掛けていきたいと思います。
 今年の十二支は辰(たつ)です。相場格言では、辰年は巳年と共に「天井」と言われています。今年は世界中活気にあふれ、天井知らずに景気が上昇し、皆様にとり大きな飛躍の年となることを期待しています。
 最後になりましたが、この一年の皆様のご健勝とご活躍を祈念して、私の年頭の挨拶とさせて頂きます。

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