ブラジル鳥取県人会と母県が隔年相互的に行っている派遣事業「中堅リーダー交流事業」で初ブラジル訪問した音楽講師の鎌谷肇(かまたに・はじめ、68歳、鳥取県)さんが活動報告のため昨年11月28日に編集部を訪れた。鎌谷さんが行った現地団体との音楽交流の感想を聞いた。
鎌谷さんは元々中学の音楽教師で、定年後はレクリエーション音楽専門家として鳥取市立湖東中学校で非常勤講師を務めている。同事業に応募したきっかけは、27年前に地元の高校でブラジル人16人と行われた交流事業に関わったことだった。「彼らと音楽交流をした際にその表現がとても豊かで素敵に感じました。それからブラジルはどのような国なのか知りたくなり、現地で交流したい気持ちが芽生えました」という。
鎌谷さんは11月23日から28日まで滞在し、ミラソル学校、鳥取県人会カラオケ教室やコーラス部、高齢者福祉施設「憩の園」で音楽交流を行った。
ミラソル学校では、アニメソングや日本の中学生が授業で歌っている曲を披露し、シンギングゲームなどを行った。参加した5・6年生の生徒から感謝の演奏が披露され、「とても明るく活気ある演奏でした。お別れの時にも元気な挨拶がとても嬉しかったです」と話す。
鳥取県人会カラオケ教室では個人指導、コーラス部では歌詞の発音や表現方法の指導を行った。ブラジル鳥取県交流センターで行われたファミリア親睦フェスタにも参加し、県人会員とも親睦を深めた。
憩の園では入居者へ懐かしい歌や童謡唱歌の披露を行った。「リズムに合わせて手を叩いたり、歌詞を口づさんで微笑まれる姿が印象に残っています」と振り返る。
鎌谷さんは今回の派遣事業について「とても実りのある音楽交流が出来たと思います。多くの方々との楽しい想い出も作らせていただき、鳥取県人会の皆様には感謝の気持ちでいっぱいです」と感想を述べた。
同行している妻の眞里子(まりこ)さんは同事業に2018年に参加し、初来伯。今回は自費で来伯したという。「1度目の来伯では気づけなかったものを今回はたくさん知ることができました。県人会がとても温かな場所であることや、今の日本では忘れられている大切なことが大事にされていることを実感しました。帰国後、OB達と鳥取側で交流事業に貢献出来ることを考えたい」と語った。