《記者コラム》ブラジルでも連日の日本報道=元旦早々の惨事への反応

フォーリャ紙のランキング(記者撮影)

 2024年が明けて早々、まことにめでたくない話題で日本が国際的に目立つ存在となってしまっている。元旦に発生した能登半島地震と2日に起きた羽田空港での日本航空(JAL)機の衝突事故がその理由だ。このような惨事が元旦から一つの国で2日連続で起こることは、少なくともコラム子が生まれてから全く記憶にない。
 この2件は国際的にも大きく報道された。世界的に有名なアメリカのCNNやイギリスのBBCでも大きく報じられ、それは伯国でも同様だった。テレビやラジオ各局を始め、G1、UOL、CNNブラジル、フォーリャ紙といった国内を代表する大手サイトもトップ記事として扱った。
 2011年3月11日の東日本大震災を覚えているブラジル人はとても多く、今回の地震でもとりわけ津波被害の再来を恐れている人は多かった。そのことはX(旧ツイッター)のハッシュタグで「テレモット(地震)」「ツナミ」がトレンド・ワード入りしていたことでも明らかだ。
 また、羽田での事故の方はJAL516便と海上保安庁の飛行機JA722Aが衝突し、炎上する極めてショッキングな映像が報道され、人々の印象に強く残った。海上保安庁の飛行機は被災した能登半島に支援物資を届けようとしていたという。フォーリャ紙サイトでは3日未明の時点で、この事故に関しての記事が「最も読まれている記事」の3位と5位になっていた。
 ブラジルでの報道の論調だが、地震に関しては、「なぜ日本では地震が起きやすいのか」との状況説明が多いようにコラム子は感じた。ブラジルでは日常で地震を体感することがほとんどなく、地震がどんなものなのか実感を持って理解している人は少ない。それだけに多数の死者を出す災害に強い畏怖を感じるのだろう。
 ただ、ブラジルでは地震発生後の続報がだいぶ弱い気がした。地震発生時の様子だけでなく、被災地での救出活動まで報道して欲しいのだがと、物足りなさも多少感じた。
 飛行機衝突事故に関しては、JALが乗客379人全員を爆発前に無事に脱出させたことに対して「奇跡」という賛辞の声が上がっている。この背景には、「これが伯人なら一致団結した行動が取れず大惨事になっていただろう」との気持ちも込められているように感じた。実際、ネット上でそう話している例も散見された。海上保安庁の乗組員5人が亡くなられているので、もろ手をあげて喜べはしないが、たしかに惨事の拡大を食い止めたJAL乗務員と乗客の対応は称賛に値するものだと思う。(陽)

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