ミナス・ジェライス州ジュイス・デ・フォーラ市にある地方のアイスクリーム製造会社「Sol&Neve」が、ブラジル風を極めた新たな味に挑戦すべく、人工知能(AI)を駆使して独自のアイスクリーム「SN3V3IA」を開発した。12月28日の発売以来、最も売れ筋の商品の一つとなっていると5日付G1サイトなど(1)(2)が報じている。
この限定版アイスクリームは「フレーバーの進化」をテーマに、テクノロジー、創造性、革新性を一体化させ、そこに人間の協力と努力が結集して誕生した。人気のAIツール「Chat GPT」によって提案された材料を目の前にし、アイスクリームの専門家やシステムエンジニアなど5人がタッグを組んで新フレーバーのレシピ開発に取りかかり、配合を決め、最終製品にたどり着くまで試食テストを繰り返した。
「AIに食材選びを任せたことで、我々は材料を調和させることだけに注力できた。機械だけでは限界があり、素材をうまく調和させ、心地よい質感をもたらし、味を仕上げる必要があることに気づいた」とジェラード・マスターであるジョゼテ・アマデウ氏は語った。
このアイスクリームは、ブラジルの伝統的な食材であるカカオ、ラパドゥーラ(サトウキビの搾汁を煮詰めて固めた黒糖菓子)でキャラメリゼ(加熱によって糖類が酸化するときに起こるカラメル化現象)されたカシューナッツ、そして唐辛子のジャムなどを絶妙に組み合わせている。人間が思いつかないようなAI独自の発想で選んだ食材を活かして、その風味、食感、感覚を人間が融合させたものと評判を呼んでいる。
その特異な味わいだけでなく、この新製品のキャンペーンも革新的で、発売の前日にはアメリカのニューヨーク、タイムズスクエアの大型ビジョンに登場。独自のプロモーションが功を奏し、注目度が一気に高まった。
「AIから提案された材料でレシピを考えて完成させるためには、人が適切な入力やキーワードで管理し、最終的な仕上げも行う必要がある」とし、人間の経験がレシピを完成させる上で重要であったとアマデウ氏は付け加えた。
国内の主要アイスクリーム製造会社の一つ「Sol&Neve」(https://soleneve.com.br/)は、1994年にミナス・ジェライス州レオポルジーナ市で創業。現在、同州、リオ州、サンパウロ州、エスピリト・サント州に180以上の店舗と5500以上の販売拠点を持つ。ゼロ・シュガーやゼロ・ラクトース・シリーズ、また動物性原料を使用しないヴィーガン向け製品など、新しい消費者トレンドに対応した製品も展開している。