25年にわたる研究の末、棘のないペキの苗木が今年市場に出回る見込みだ。ペキは中部ゴイアス州特産の果実で、中心にある種の周りには棘があり、食べる際に注意が必要だが、新しい品種ではその心配がなくなる。ゴイアス州の育苗業者が生産し、数カ月後には市場に供給される予定だと、5日付CBNサイトなど(1)(2)が報じている。
ペキは、先住民の言語であるトゥピ語で「とげのある皮」を意味し、鋭い大量の棘がこの果物の特徴で、それを噛まずに注意深く食べる必要がある。それ故に敬遠する人も多いが、くせになる独特の風味があり、栄養面でも優れており、魅力的な果物であることも確かだ。
抗炎症作用で知られるオメガ9系の不飽和脂肪酸が豊富で、ビタミンAの前駆体であるカロテノイドやビタミンCが豊富で、知られざるスーパーフードだ。
ゴイアス州では、農業拡張・技術支援公社(Emater)が5千本の苗木を一般向けに50レアルで販売するための入札を開催したが、予想を上回る5万人以上が応募し、わずか10日で応募受付を中止せざるを得ないほどの混乱ぶりだった。
研究コーディネーターであるエライニ・ボテーリョ氏によれば、棘なしペキは特に子供や高齢者にとって扱いやすく、また地元の人々にとっては伝統的な特産品として長年親しまれており、多くの人々がこの新種の登場を待ち望んでいたと説明する。
「従来のペキのようなクセは少なく、優しい味わいだ。ペキ初心者にとっては、棘なしで始める方がはるかに安心して味わうことができる。そして、ペキ愛好家にとっては、口に含んで果肉の食感を楽しむことができ、さらに堪能することができるでしょう」と述べた。
棘のないペキは、マット・グロッソ州のある農家が偶然庭先で発見し、Ematerとブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)に協力を依頼したことで研究が始まり、20年経ちようやく結果につながった。
2022年11月8日のEmbrapaポータルニュース(3)によると、研究者アイルトン・ペレイラ氏は「農園の遺伝的多様化の必要性から、同時に6品種を発表している」とし、その目的は交配を促進し、果実の生産量を増やすことにあるのだという。「将来の病気や害虫に対する予防策でもある。植物検疫上のリスクを最小化するために採用すべき戦略だ」と説明した。
ゴイアス州の他、ミナス・ジェライス州、トカンチンス州、連邦直轄地の郷土料理や文化の一部となっているこの果実は、棘なし品種が登場したことでますます消費量が増える見込みだと同氏は考えている。
新種の普及により、取り扱い時の事故を防ぐだけでなく、果肉抽出プロセスの機械化に有利となり、果肉部分が効率的に取り出しやすくなる。今までペキに抵抗感を持っていた人々に向けて風味や栄養を享受する機会を広げ、地域の特産品がより広範な市場で愛され、食の多様性が促進されることを期待していると同氏は語った。