中国南東部の深セン市で10日、ブラジル・ビジネス·リーダー·グループ(LIDE)とヴァロール紙が主催する「ブラジル・中国ミーティング」が始まった。イベントは4日間開催され、両国の政府、民間企業、大学関係者ら約160人が一堂に会し、両国間の協力について議論を交わす。オープニングでは、両国の外交関係の再構築や、国交再開50年目の今年は両国間の商業交流をさらに拡大する機会であることが強調された。10日付オ・グローボ(1)が報じている。
LIDEの共同義長を務める、前サンパウロ州知事で実業家のジョアン・ドリア氏は、「ブラジルと中国の関係は現在、最高の状態にある」と述べ、農業、技術、再生可能エネルギー、自動車産業などを含むトピックに焦点を当てる討論の重要性を強調した。
グローボ出版の最高経営責任者(CEO)であるフレデリッキ・カシャール氏は、ブラジルが大豆、トウモロコシ、肉、セルロースなどの生産を主導し、中国が技術とエネルギーの分野で注目されていることを強調し、中国は2023年のブラジルの輸出の30%を占めていると指摘した。「このイベントは、南米最大のメディアグループとブラジル最大の企業ネットワーキング・プラットフォームであるLIDEが手を組んだ成果だ」と述べた。
イベント開催地である深セン市のワン・ショウルイ副市長は、「我々の協力関係は拡大している。ブラジルは世界的な影響力を持つ偉大な新興国であり、深センの重要なパートナーだ。電子、新エネルギー、農業など、我々の協力は多岐にわたる」と述べ、二国間関係は「将来有望」であると強調した。
在ブラジル中国大使の祝青桥氏は、同イベントは国交の再樹立50周年を記念する一連の二国間祝賀行事の中で最初の経済・商業イベントだと述べた。ここ数十年間でアジア諸国が経験した著しい技術進歩の結果であり、ブラジルの新しいライフスタイルを知る機会だとも語った。
初日はアグロフォレスト(森林農法)の重要性やグリーン水素の利用、トウモロコシのエタノールなどのクリーンエネルギー分野に関する議論が行われ、中国の政府関係者の注目を集めた。
10日付ヴァロール紙(2)(3)によると、討論に参加したカチア・アブレウ上議(進歩党・PP、元農相)は、ブラジルは、14億という人口の需要に対応できずにいる中国の食糧安全保障に協力し、戦略的パートナーとなる用意があると強調。
「中国への最大のコモディティ供給国だった米国が貿易戦争で失った空席を、ブラジルが占めることが期待されている」と同上議は語った。物流についても、ブラジル縦断鉄道プロジェクト「フェログロン」(穀物鉄道)実現が、マット・グロッソ州からパラー州への積出し上の問題の解決策となり、欧州やアジア向けの輸出が促進される可能性があると指摘した。
元サンパウロ州農業供給局長でLIDE Agroの議長でもあるフランシスコ・マトゥーロ氏は、ブラジルのような熱帯国家だけが年に5回の収穫が可能であることを強調。同氏はまた、ブラジルの農畜産業における最大の課題は保管であり、これが輸送などに圧力をかけていると指摘した。
イベントでは再生可能エネルギー、テクノロジー、自動車産業、モビリティ、インフラなど、両国間の経済・貿易関係に関わるトピックが取り上げられ、全討論が「ヴァロール」のウェブサイトにて一般公開される。