大統領府広報によれば、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ大統領は10日午前8時から30分間、岸田文雄首相と電話会談を実施し、ブラジルと日本の戦略的パートナーシップと貿易の強化、ブラジルのG20議長国就任、平和、民主主義、貧困克服のための多国間フォーラムにおける両国の協力について話し合った。
日本国外務省広報によれば、岸田首相は冒頭、日本とブラジルは基本的価値を共有する「戦略的グローバル・パートナー」であり、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化し、人間の尊厳が守られる世界の確保に向け、緊密に連携していきたい旨を述べた。また、能登半島地震の被害に対するブラジルからのお見舞いへの謝意も述べた。
大統領府広報によれば、岸田首相はいずれブラジルを実際に訪問する意向を表明。両氏は、メルコスールと日本の貿易協定の可能性についても話し合ったという。
ルーラ大統領は、日本国民、中でも1月1日に発生した地震の被災者への連帯の意を表明した。また、来年ブラジルと日本が外交関係樹立130周年を迎えることについて語った。両国は戦略的パートナーシップの強化と、二国間貿易の拡大に引き続き取り組むべきとの認識で一致した。
両国首脳は世界で進行中の紛争の克服、平和の擁護についても話した。ガザやウクライナのような紛争が二度と起こらないよう、多国間組織を強化することの重要性で一致した。
ルーラ大統領は、昨年広島で開催されたG7サミットに岸田外相が招待してくれたことに感謝し、日本が今年のG20のすべての討論の場に参加することを希望すると表明した。また、気候変動と再生可能エネルギーに関する議論をG20の議論の中心に据える必要性を強調した。
さらにルーラ大統領は、ブラジルがG20で飢餓と貧困に反対するグローバル・アライアンス(世界的な連携)を立ち上げること、不平等を克服することが民主主義を守る基本であることを強調した。「なぜ貧困対策よりも戦争に多くの資源が費やされるのか。説明することは不可能だ」と述べた。