【11日の市況】予想以上に強いブラジルと米国のインフレデータを受け、Ibovespaは0.15%下落=ブラジル中銀利下げ加速や米FRB3月利下げサイクル開始との見方を払拭

 木曜日は一日を通して、上がり下がりの激しいジェットコースターのような展開となった。木曜日(11日)、ボベスパ指数は0.15%安の130,648ポイントで取引を終えた。ウォール街の指数はほぼ無風状態だった。
 この日は、ここブラジルと米国の両方でインフレ懸念が顕著に表れた。ブラジルではIPCA(インフレ指数)が0.56%と発表され、予想より高い4.62%で2023年を終えた。エコノミストたちは、IPCAが高まったことで、中銀がSelic金利の引き下げを加速させるとの見方は弱まるはずだと見ている。

 米国では、消費者インフレ率(CPI)が12月に0.3%上昇し、今年を3.4%で締めくくった。しかし、一般的な見方では、連邦準備制度理事会(FRB)が利下げサイクルの開始を3月以降に先送りすることはあっても、年前半に起こる可能性は捨てきれないと見られている。
 明日は、米国の生産者インフレの発表があるが、CPI報告書の方もまだ別解釈を生む余地があり、新たなサプライズが起こる可能性もあるようだ。
 ドルは買い4.874レアル、売り4.875レアルと0.34%下落。
 米国とブラジルの消費者インフレが注目される中、投資家はMRV (MRVE3)の下落と取引量の多さに驚いた。ニュース報道によると、(引け後に発表された)オペレーショナル・プレビューを見越して同銘柄が大きく動いたことで、業績ガイダンスが変更される可能性があるという。
 ブラデスコ(BBDC4)は再び下げて、0.50%下落となった。イタウ・ウニバンコ(ITUB4)は0.18%上昇した。バンコ・ド・ブラジル(BBAS3)は0.68%の上昇となった。
 ゲルダウ (GGBR4) は1.30%安で、この日の最安値で3連続下落となった。CSN(CSNA3)は0.22%下落した。アナリストの間では、2024年の同セクターの見通しについて意見が分かれており、中国を横目に見ながら、米国の政策パッケージ、ブラジル市場の回復が注目されている。
 小売業界は、マガジン・ルイザ(MGLU3)が横ばい、ロハス・レナー(LREN3)が0.24%下落した。一方、アサイ(ASAI3)は2.14%上昇した。

ヴァーレ(VALE3)とペトロブラス(PETR4)はコモディティと共に上昇

 シンガポール取引所の2月基準鉄鉱石は1トン134.1ドルと1%近く上昇し、それまでの下落幅を帳消しにした。しかし、ヴァーレ(VALE3)の株価は外国人投資家の動きに影響され、中盤で変動した。結局0.53%上昇し、8連続安に終止符を打った。鉱山会社は、銀行が株式の購入を強化したことでさらに上昇した。
 ペトロブラス(PETR3;PETR4)は、2つの主要ベンチマークで原油が上昇したほか、それぞれ1.02%、0.85%上昇した。配当に関して、大手銀行によると、同国営企業は短期的に最大70億米ドルの臨時配当を支払う財務能力があるという。
 PRIO(PRIO3)も原油上昇の波に乗り、2.59%上昇した。国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)の職員ストの問題が株価に影響を与える可能性はあると見られている。

エレトロブラス(ELET3)はフルナスを吸収

 午後の半ばに最高裁のアレクサンドル・デ・モラエス判事は、司法判断で中断されていた臨時株主総会(AGE)の開催を許可した。その数分後には臨時株主総会が開催され、エレトロブラス社(ELET3)がフルナス社の吸収合併を最終的に承認したというニュースが流れた。株価は1.05%上昇した。
 聖州水道公社の民営化が大きく進展して2024年半ばまでに完了するとの銀行の見通しが出され、その株価は125レアルまで達する可能性があると予想したため、サベスピ(SBSP3)は2.45%上昇した。

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