GOL航空=米国で司法的会社再建か=202億レの債務抱え

ゴル航空は財政再建のため、複数の選択肢を模索(15日付オ・グローボ・サイトの記事の一部)
ゴル航空は財政再建のため、複数の選択肢を模索(15日付オ・グローボ・サイトの記事の一部)

 フォーリャ紙コラム「Painel SA」によると、ゴル航空(Gol)は1カ月以内に米国で司法的会社再建プロセスを開始する可能性がある。米国を選択したのは、資金調達の可能性が広がるため、ブラジル国内よりも有利と見られているからだと、15日付ヴァロール紙など(1)(2)(3)が報じている。
 欧米のビジネスモデルを参考にして、航空大国ブラジルで初の格安航空会社として2001年に設立された同社は現在、202億2千万レアル(約6006億円)の債務を抱えており、昨年12月に米国のコンサルティング会社「Seabury」と契約して解決方法を探っていた。この額は、利払い前・税引き前利益、減価償却の総和で求められる利益(EBITIDA)の4倍にあたる。債務整理計画を進めるため、今後2週間で司法外での交渉を試みているが、これは実現不能であることが判明している。
 ゴルのリース会社は、ブラジルでの破産手続きがどのように開始されるかは分かるが、結末が不透明なため、交渉を米国で行いたいと考えている。ニューヨークの破産法廷の規則はより予測がしやすいのだという。ただ、ゴルは米国内での事業展開が少ないため、米国の司法当局が手続きを拒否する可能性がある。
 ゴルは米国での破産手続きの可能性に加え、負債解消に向けた複数の選択肢を検討している。その中には財政的な支援や融資など、金融機関との協議も含まれている。同社は声明を通じ、「弊社は、事業資金を調達するための追加資本を含め、より大きな財務的柔軟性をもたらす様々な選択肢について(債権者と)協議中だ」と述べた。
 米国の破産法第11章はブラジルの破産手続きに相当し、ラタン航空やアメリカン航空など、他の多くの航空会社が米国で破産手続きを申請した後に経営再建に成功していることから、ゴルにとっても実現可能で興味深い選択肢と見なされている。米国の訴訟と執行の停止期間は120日で、ブラジルの30日と比べ、時間的な余裕もある。
 航空法を専門とする弁護士フェリペ・ボンセンソ氏は、ゴルの債権者は比較的少数で、彼らが拒否すれば経営再建は不可能になると述べている。さらに、パンデミックの時期はリース会社も交渉に応じやすかったが、現在は需要が高まり、航空機の返却があれば他の航空会社がこれを引き取りたがるとも指摘した。また、「米国では法的確実性が高く、第11章の規則はより堅固で安全であり、前例もある」としている。
 国際線も運航しているものの、規模が小さいゴルは、債権者が外国人であり、債務調達のための金融手段となった子会社も保有しているため、米国の法律の規制の範囲内にある。
 アズル航空もSeabury社と契約し、米国での破産申請を検討していたが、第11章に頼らず、負債の再交渉に成功した。ただし、アズルの状況はゴルよりも財政的に健全で、事業運営の観点で優れていた。
 ニューヨークとロンドンに本拠を置く格付会社の「フィッチ・レーティングス」は、昨年12月にゴルの信用格付を「CCCプラス」から「CCCマイナス」に引き下げ、債務再編、再融資のリスクおよびオペレーショナルキャッシュフローへの圧力に懸念を示した。コンサルタント会社XPのアナリストらは、ゴルが持つ巨額の負債と、収益に対する債務比率が引き続き課題であり、米国での再建が成功する鍵であると強調した。

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