MMAファイターが返り討ちに=盗難バイク取返しにいって殺害

ディエゴ・ブラガ氏(16日付メトロポレ・サイトの記事の一部)
ディエゴ・ブラガ氏(16日付メトロポレ・サイトの記事の一部)

 総合格闘家ディエゴ・ブラガ・ヌネス氏(44)が15日、盗まれたバイクを取り返そうとリオ市のファベーラ(貧民街)に一人で踏み入った後、遺体で発見された。彼は総合格闘家で、2023年フェザー級決勝戦で惜しくも敗れたガブリエル・ブラガ選手の父親でもある。16日付メトロポレ・サイトなど(1)(2)(3)が報じている。
 ディエゴ氏はムエタイと総合格闘技のプロ選手。プロ格闘家としてのキャリアは2003年に始まり、チャールズ・オリベイラ、ミルトン・ヴィエイラ、アドリアーノ・マルチンス、イリアルディ・サントスなど、UFCでも活動する名だたる選手たちと対戦した。
 ロドリゴとロジェリオのミノタウロ兄弟のトレーニングパートナーだったディエゴ氏は、アンデウソン・シウバとも練習した。プロ最後の試合は19年。23勝8敗1引き分けで引退した。
 ディエゴ氏のバイクは15日未明に、ムゼマ区の自宅から2人の男によって盗まれた。防犯カメラの映像を確認した後、自身のSNSで盗難の被害を共有し、単独で車両を探し始めた。
 最初に彼はチジュキーニャ貧民街に探しに行き、モロ・ド・バンコ貧民街に向かったところで麻薬密売人に捕まり、殺害された可能性があるとみている。殺害の詳細は明らかにされていない。
 16日、警察は犯行に加わったと自供したタウアン・ダ・シルバ容疑者(18)を逮捕。警察によると、この男には前科があり、自宅で麻薬を持っているところを発見された。
 警察はディエゴ氏が、同貧民街を現在支配する麻薬密売組織のライバルの民兵組織(ミリシア)一員と間違われたとみて、捜査を進めている。リオ市西部イタニャンガ地区にあるムゼマは23年まで民兵組織に支配されていた。
 同年11月、犯罪集団「コマンド・ヴェルメーリョ(CV)」の麻薬取引組織がこの地域を襲撃し、占拠した。隣接するモロ・ド・バンコも同じ麻薬密売組織の支配下にある。
 麻薬密売組織は貧民街の道路にバリケードを設置し、違法薬物を販売しているとされる。同地域は民兵組織の発祥地リオ・ダス・ペドラスに隣接している。
 ディエゴ氏は現役引退後、格闘技指導者やコーチとしてのキャリアに専念しており、格闘スポーツジムを経営していた。23年、息子のガブリエル・ブラガが米国の格闘技団体PFLのフェザー級トーナメントで決勝に進出。惜しくも負けてしまったが、大健闘を見せた。

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