北東部バイーア州で建設予定のラテンアメリカ最大の大橋が、約3年間の遅延を経て、2月に着工される見通しとなった。州都サルバドール市とイタパリカ島を結ぶ橋は全長12・4キロに及び、陸路なら4時間、フェリーでも1時間かかる移動時間を、15分に短縮できるとみられている。工事の見積額は130億レアル(約3900億円)で、世界最大級の橋を持つ、中国の建設企業が参加している。16日付ガゼッタ・ド・ポーヴォ(1)が報じている。
同橋の工事は、バイーア州政府と中国のコンソーシアム(企業体)による官民パートナーシップ(PPP)で行われ、54億レアルを投じ、21年に着工される予定だった。
この区間には料金所が二つ設置され、建設・インフラ分野で世界最大級の二つのグループ会社、中鉄二十局集団(CR20)と中国交通建設(CCCC)が関わるコンソーシアムは、35年間コンセッションを運営する権利を有す。
ジェロニモ・ロドリゲス同州知事(労働者党・PT)は記者団のインタビューに応え、新型コロナウイルスの影響でプロジェクトの進捗が遅れたと説明した。「コンソーシアムが提示したスケジュールでは浅瀬での調査を行う船は1月中に到着することになっている」とし、プロジェクトが予定通りに進行されることへの期待を示した。
この調査はトドス・オス・サントス湾での海洋土壌分析作業で、柱を設置する場所の土壌に穴を開けてサンプルを採取し、橋の基礎となる部分の土壌の抵抗特性を調べる。調査活動には10カ月、建設には4年が予定され、完成は28年末となる見込みだ。
新しい橋は、サルバドールとイタパリカ島の間にある約250の自治体とその住民約1千万人に恩恵をもたらす見込みだ。また、建設作業のピーク時には約7千人の雇用創出が期待されている。
国際投資グループでは、この橋は同州内のイタカレ市、イリェウス市、ポルト・セグーロ市、カライバ市、トランコーゾ市などの観光地域の発展も促進すると見ている。
橋の建設資金は、コンセッションの運営権者から80%、バイーア州政府から20%が提供される。そのための融資の80%はブラジルと中国の銀行から調達される予定で、社会経済開発銀行(BNDES)、ノルデステ銀行(BNB)、中国輸出入銀行はすでに融資に参加する意向を示している
この橋の建設プロジェクトは四つのセクションに分かれており、段階的に進行される。セクション1では高架橋とトンネルでサルバドールのアクセス道路を建設し、セクション2では、船舶の通行維持しつつ、主要な水域通過部分を建設。セクション3ではイタパリカ島へのアクセスが整備され、セクション4では州道BA‐001号の一部を修復・拡張する。橋は今後30年間の交通需要を考慮し、各方向を3車線ずつとする。初年度の予想交通量は、1日あたり2万8千台を見込んでいる。