ルーラ外交=今年は南米とアフリカ重視=地方選挙睨み国内巡訪開始

ルーラ大統領(17日付CNNサイトの記事の一部)
ルーラ大統領(17日付CNNサイトの記事の一部)

 ルーラ大統領(労働者党・PT)は2024年、統一地方選や連邦議会での課題解決に向けた国内での活動を優先する意向で、対外政策も南米とアフリカに焦点を絞る方針だ。17日付CNNサイトなど(1)(2)が報じている。
 ブラジルで開催される今年11月のG20サミットに向けて、「国際組織におけるブラジルの位置づけを変える」ため、2023年は欧州、北米、アジアを優先し、計23カ国を訪れ、存在感を示した。
 ブラジル外交筋がCNNに語ったところによると、今年の第1四半期のルーラ大統領は、2月28日にガイアナで開催されるカリブ共同体(CARICOM)の第46回首脳会議に参加する可能性がある。
 そして3月初旬、大統領はセントビンセント及びグレナディーン諸島で開催されるラテンアメリカ・カリブ海諸国共同体(CELAC)首脳会議に出席する可能性がある。
 この二つの組織はブラジル同様、23年末にベネズエラとガイアナの間の対立関係がエスカレートした際に仲介役として活躍した。これらの首脳会議では、環境、治安、民主主義が主要なテーマとなる見込みだ。
 また、2月にはエチオピアで開催されるアフリカ連合の会議にも出席する予定だ。アフリカ大陸歴訪中には、エジプトに立ち寄り、会談を行う可能性も示唆されている。
 他方、ルーラ大統領は今年の関心事である国内問題と統一地方選を見据え、18日から国内巡訪を開始した。彼の計画は、PTの支持基盤を強化し、26年の大統領選挙に向けた戦略的な布石を打つことだ。
 大統領の最初の訪問先は、PTが特に強い支持を得ている北東部(ノルデステ)のバイーア州、ペルナンブコ州、セアラー州などで、大統領選に向けた票田固めに不可欠とみなしている。
 各訪問先では、様々な工事の開始や終了記念式典や各種イベントや視察日程が組み込まれている。その中には、技術開発の促進を目的とした、バイーア州における宇宙航空技術パークの設立式典や、地方経済の振興を目的とするペルナンブコ州のアブレウ・イ・リマ製油所での再投資セレモニーも含まれている。
 同時に、ルーラ大統領は軍関連の施設やプロジェクトにも焦点を当てており、19日にはペルナンブコ州レシフェ市で北東部軍司令部の指揮官交代式と下士官学校建設のための合意書署名式に参加。その後、セアラー州フォルタレーザの空軍基地でITA(航空工科大学)キャンパスの定礎式に参加する予定。
 その後は、サンタカタリーナ州、22年選挙で勝利の鍵を握った重要な州であるミナス・ジェライス州を順次訪れる。3月には、最も高い支持率を誇るピアウイ州を訪れる計画であると報じられた。

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