中国がブラジルの米に注目している。22日から4日間の日程で、中国の代表団が中西部ゴイアス(GO)州を訪問し、同州の米の生産および輸出の潜在的な対応力を評価している。23日付オエステ誌など(1)(2)が報じている。
中国は世界最大の米の消費国だ。代表団のメンバーには広範な分野で農業に関する研究実績を有する雲南農業大学(YAU)の専門家が含まれており、22日にはゴイアス州のダニエル・ヴィレラ副知事と同州農務局長のペドロ・レオナルド・レゼンデ氏による歓迎を受けた。
ゴイアス州は、耕作可能な土地が28万ヘクタール以上あり、すぐに米生産を開始できるだけの潜在能力を有す。「ゴイアス州は中国との新たなパートナーシップを結ぶ準備ができている。我々は中国に、米生産のポテンシャルを示すつもりだ」とヴィレラ副知事は述べた。
同氏はまた、中国はゴイアス州最大の貿易相手国であり、大豆、鉄鉱石、原油、牛肉など、同州の輸出品の7割が中国向けだということを強調し、「米も国際的なパートナーシップを築くことができるもう一つの品目になるだろう」と期待を示した。中国代表団は25日まで滞在し、主要農園や研究センターを訪問する予定だ。
2023年には、同州は8万2千トンの米を収穫した。1987年には同州米生産史上最大の150万トンを収穫した記録があり、それは現在の約20倍に匹敵する。
米国農務省によると、24年の中国での米の需要は1億5千万トンになる見込みだ。この大部分は中国国内の生産でまかなえるが、全人口の需要を満たすには270万トンを輸入する必要がある。
ブラジルの輸出業者が23年に提示した平均輸出価格を考慮すると、中国市場の価値は20億米ドルに達する。23年のブラジルの貿易収支を見ると、中国はブラジルから輸入した米1トン当たり778米ドルを支払っている。これは一般的な平均価格より約80%高い。
ブラジル農牧調査研究公社(EMBRAPA)の米・豆部門の総括責任者エルシオ・ギマランエス氏によると、「米は生産コストと価格の関係上、最も収益性の高い作物だ。大豆やトウモロコシ、綿花などと比べても、米ほど利益の上がる作物はない」と説明した。
中国からの関心を集める一方、ブラジルにおける米は基本的な食糧の安全保障を担う作物であるため、国内消費分を先に確保する必要がある。ブラジルの米の収穫量は実質的に国内の総消費量に相当する。
現在の目標は、十分な量を生産して国内の需要を充足し、余剰分を輸出する状態を回復することだ。最近の報告によれば、輸出と輸入を合わせて、約300万トンの米を国外市場で取引している。