SNSで人生一変した路上生活者=フォロワー激増で一躍有名人に

マロカ夫妻の歯科治療前(左)と治療後(右)(23日付G1サイトの記事の一部)
マロカ夫妻の歯科治療前(左)と治療後(右)(23日付G1サイトの記事の一部)

 路上生活の日常をインスタグラムで公開して、わずか1週間で100万人のフォロワーを獲得した話題のホームレスカップルの成功後の〝大変身〟を23日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。
 トランスジェンダーの美容師ガブリエリー・ミゲルさん(25)と、アプリ配達ドライバーのドウグラス・マルティンスさん(33)は、今はサンパウロ州サントス市の借家に住んでいるが、以前は7年間も路上生活を送っていた。
 G1の取材に対し、彼らの生活が変わり始めたのは今年初めに友人から携帯電話を借りて、路上テント暮らしの日常を投稿し始めたときだった。ドウグラスさんが一日の仕事を終えて、歩道に張られたテントの「家」に到着する動画が一気に拡散してフォロワーが激増した。
 ガブリエリーさんによると、それを見た歯科クリニックのオーナーから連絡があり、治療費を支払うと言われた。2人はサンパウロ州サンタバルバラ・ドエステ市での5日間の治療期間中、同オーナーが所有する農場に滞在し、〝大規模工事〟が行われた。
 美しい笑顔を手に入れるためには抜歯、インプラントの埋め込み、義歯作成などが必要で、クリーニングと虫歯の治療もなされた。夫婦は治療によって、前歯が何本も抜け落ちていた以前の姿からは想像もできない外見を手に入れた。
 「歯は名刺のようなもの。私たちは見た目で差別されることがよくあった。でも今は何もかもうまくいっているわ。自尊心が上がり、再出発する準備ができたの」とガブリエリーさんは答えた。
 二人のインスタグラムのプロフィールを見ると、説明文に「元ホームレス」とある。ガブリエリーさんによると、今住んでいる家はあるフォロワーの勧めで借りたもの。そのフォロワーが二人を助けようと連絡をくれたのだという。
 「持ち主は今外国にいて、家が空き家になっているから、私たちを助けるために手頃な値段で提供してくれている。これが路上生活から脱却するきっかけになった。SNSを通じた繋がりのおかげなの」と明かした。
 ガブリエリーさんはサンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポス市、ドウグラスさんはミナス・ジェライス州のサンロウレンソ市で生まれた。付き合って6年になるこのカップルは、それぞれ7年ほど路上で暮らしていた。
 ガブリエリーさんによると、自身の路上生活を公開するというアイディアは、同じくSNSで自分たちの現実を見せることで成功した、友人カップルから勧められたという。彼らはドウグラスさんが配達員として働けるように自転車を譲ってくれ、携帯電話やSNSアカウントまで貸してくれた。その助けを受け、二人の生活は一変した。
 今ではインスタグラマーとしての活動も軌道に乗り、現在は約200万人近いフォロワーがいる。これからは自分達が人々を助ける番だと考え、彼らが住んでいるサントス市で弱い立場にある人々に食料を無償で届けるなどの新しい活動を始めたとのことだ。

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